＊ ページ40
ru「支配、欲…」
ab「………なーんて、そんなのは無いと思うけどね。今のも聞かなかったことにしといて？」
ru「う、うん……」
ab「翔太の歌は、多分あれが外国の歌だからだよ。あれ、ライバル国の歌なんだ。うちの国の重要資料が焼けちゃった戦争も、その国との戦争だったんだよね。」
つまりは、政治的背景が絡んでるってことなのか…
それにしても、阿部が言った“支配欲”。
聖職者としてそんなことはあってはならないだろうが、少しその要因もあるかも知れないと、そう思ってしまう。
一見禁止されていることの理由がしっかりしているようにも見える。
が、もしそれが後付けの理由だとしたら。
………いや、やめよう。
余計なことを考えたって無意味。
自分の身を滅ぼすだけだ。
自身の考えを捨てるように、ラウールはふるふると頭を振った。
ab「ところで村上真都ラウールくん、勉強はお好きかい？」
ru「や、やったことないけど……」
ab「俺に勉強教わってみない？」
ru「………えっ？」
急に改まった口調でニヤリとしながら、ラウールが予想もしなかったことを言い放つ阿部。
ラウールの家に学校に通う経済力なんて勿論無かった。
文字は両親の教えのおかげで読めるものの、“読むもの”なんて身近に無かった。
好奇心旺盛な17歳にはもってこいのオファーであった。
ru「……やりたい！教わってみたい！！！」
ab「そういうと思った。よし、じゃあ早速始めちゃう？」
ru「う、うん！」
異常に行動が早い阿部にやや置いてかれそうになるラウール。
気づけばラウールは机の前に座らされ、目の前には“すうがく”の本が。
阿部も自らが座る為の椅子を運んできて、ラウールの椅子の真横にぴたりとくっつけた。
ab「まずは数学からかな。とりあえず今日は5ページ目のここから！」
開かれたページには、数字と、ラウールの知らない記号が沢山載っていた。
+、−…なんだこれ、バツ？
最初は意味がさっぱりだったものの、阿部の説明で理解するのにそう時間は掛からなかった。
ab「ラウールめっちゃ飲み込み早いじゃん！これは逸材だな。次は……」
少し興奮気味で喋っていた勢いがなくなったかと思えば、ぱらりとページをめくる阿部の手がふと止まった。
本から手を離した阿部は、その手を自身の顔に持っていき、頬杖をつく。
静かなトーンで、阿部はぽつりぽつりと自らのことを話し始めた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
