＊ ページ34
dt「どう…かな？」
ru「すっごく美味しいです……」
sk「あぁぁっ…泣くなってぇ！折角のお祝いなんだから！ほら、ケーキもあるんだぞっ！」
必死に涙を堪えながらラウールは宮舘に感想を述べる。
が、ラウールの頑張りも虚しく、彼の目からははらりと雫が零れた。
そんな様子を見た佐久間は慌てながらも、ラウールの元気を取り戻す為ケーキを取りに向かった。
iw「…家族、思い出しちゃった？」
ru「うん……」
kj「家族……なぁ。」
向井もラウールと同じ様に切なげな表情を浮かべたものの、すぐに元の表情へと戻す。
それに気づいた目黒は、向井の背中にそっと手を当てた。
ラウールはラウールで、溢れる涙を止めようとしていたものの、
大聖堂以外で母と会いたい。
父と会いたい。
兄と遊びたい。
決して豊かではなかったけど、今までの生活に戻りたい。
そんな想いまでもが溢れてきて、涙は止まりそうもない。
誰もラウールに声はかけなかった。
いや、かけられなかった。
ケーキを取って戻ってきた佐久間までも、両手で皿を持ったまま暗い顔で立ち尽くしていた。
声をかけたところでラウールを家に帰すことも出来ないし、この状況は何も変えられない。
どこか重い空気が食堂内に漂う。
ru「…っすみません、俺……」
fk「いいのいいの。泣ける時に泣いちゃいな。」
＿＿＿俺はもう、泣けないから。
そんな言葉を飲み込んで、深澤はラウールの背中を摩り続ける。
泣いたって無駄、と分かり切ってしまっている者は、泣き続けられなくなる。
ある意味、一種の諦めの表面化である。
散々泣き続けた後、落ち着いたラウールはやっと顔を上げた。
整っている顔は涙でぐちゃぐちゃになってしまっていて、それを見た渡辺がハンカチを渡す。
顔を綺麗にし一口水を飲んで、ラウールは自らの首にかけていたペンダントを握りしめた。
良い加減、しっかり気持ちに折り合いをつけなければ。
ちゃんと、前を向かなきゃ。
ru「……もう、大丈夫。」
fk「…そう。」
ru「佐久間くん、それなぁに？」
sk「……え？あ、こ、これ？ケーキだよケーキ！甘くて美味しいの！ぬるくなっちゃったけど…」
iw「俺チョコの部分食べる。」
ab「ラウールは苺のとこね。」
気を取り直した皆が明るく振る舞う。
この人たちとなら、やっぱり自分はやっていける。
精一杯の笑顔で、ラウールは口を開いた。
ru「みんな、本当にありがとうっ…！」
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
