＊ ページ33
ru「良い匂い…！」
ラウールが食堂に入れば、香ばしい良い匂いが彼の鼻先をかすめた。
久しぶりに嗅いだ、どこか嗅ぎ覚えのある匂い。
この匂いってもしかして……
fk「ほら、早く席に着いて？」
ru「う、うん！」
深澤に促されるままラウールは席につく。
食堂には、深澤と自分以外は誰も見当たらない。
kj「おぉっ！ラウール来たんや！」
ab「割と遅かったね？」
fk「あーごめんごめん。」
iw「いや、こっちも地味に時間かかってたから丁度いいよ。」
mm「佐久間君が思い切りイチゴぶち撒けるから…」
sk「うぅっ…ごめんってぇ……」
nb「だから俺にしとけば良かったのに。」
dt「でも翔太だって似たようなことしたことあるでしょ？」
nb「ねぇし！！！」
厨房の方から、七人がやって来る。
それぞれが料理を運び、テーブルの上へと並べていく。
…あれ、そういえば護衛も誰もいない？
料理も、もしかしてみんなが作ってくれた？
料理を運び終えた七人も席につき、ニコニコとラウールを見つめる。
普段の用意されている席でなく、みんなが同じテーブルにぎゅっと集まって座っている。
狭いながらもどこか安心する状況に、思わず口元が緩んだ。
ru「………あっ！」
sk「ふへへ、俺たち作ったんだよ〜？アイツに怒られちゃうから、今日だけの限定品っ！」
宮舘がクローシュを取れば、皿の上に綺麗に盛り付けられている料理が露わになる。
先程のラウールの予想は合っていた。
こんがりと揚げられている鳥の唐揚げ。
ラウールの為にと宮舘(と佐久間)が作っていたのは、ラウールの一番好きな料理であった。
アイツとは、大司教のことだろうか。
やはり随分と厳しいんだな…とラウールは思った。
nb「ちゃんと作ってたのは涼太だけだけどな。」
sk「えぇ！？俺も頑張ったのにぃー…」
fk「あーもう、いいから。ラウ、食べてみなよ。」
ru「う、うん！」
ぱくり、と一つを口に入れる。
口内に広がる一年ぶりの味に、ふと懐かしさを感じる。
全く同じ、とは言えなくとも、確かにそれは毎年誕生日に父と母、そして兄と共に頬張った物であった。
畑仕事をしたり、収穫した青果を両親に内緒で兄と食したり。
そんな、何気無いかつての日常を思い出す。
俯いていれば自らの目に膜が張るのを感じ、急いでラウールは天を仰いだ。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
