＊ ページ27
dt「今まではお誕生日は何を貰ってたの？」
ru「貰い物はなかったけど……夜ご飯に鳥の唐揚げを作って貰ってた。俺が一番好きな食べ物なんだ。
肉は高価だから、一年に一度だけ、母さんが作ってくれてた。」
dt「…そうなんだ。」
少しだけ、ラウールは母のことを思い出す。
初めに大聖堂で会ってから、ラウールの母はちょくちょく大聖堂に訪れる様になっていた。
少し高めで、柔らかい声を思い出す。
でも、仕切りで顔が見えぬせいか、悔しくもラウールの脳裏に一番に浮かんでくる母の顔は普段の優しい顔でなく、誕生日の日にラウールを必死に引き留めようとしたあの泣き顔で。
それを掻き消す様に、ラウールは頭を横に振った。
ru「……あっ！あれ…」
その時、ラウールの目は今立っている場所より少し向こうの出店を捉えた。
mm「ん、あそこ？」
ru「う、うん！」
kj「えっ！ちょっと待ってや〜！」
パタパタとラウールが小走りする後を、目黒もついていく。
その後ろを向井や、他の六人も付いていく。
sk「これ…ペンダント？」
ラウールが興味を持ったのは、ペンダントだった。
楕円形の宝石が散りばめられたペンダント。
何故これに惹かれたのかはラウール自身もわからないが、何となく近くで見たいと、そう思った。
「そのペンダント、綺麗でしょう？手作りの物なんですよ。」
fk「…本当だ、手作りだからか質が良いですね。」
商品をガン見しているラウール達に気づき、店主がやってきた。
どうぞ近くで見て下さい、と店主はラウールにペンダントを差し出す。
ラウールは手を伸ばしそれを受け取り、まじまじと見つめた。
凄く綺麗。
でも、絶対凄く高価なものだ。
流石にこれは頂けない。
ペンダントを店主に返し、別の店に移ろうとしたその時だった。
ドンっという鈍い音と共に、ラウールがよろめいた。
道ゆく誰かが意図せずぶつかったのである。
別に、少しぶつかられたくらいじゃどうってことない。
だが、コンタクトがずれてしまった。
ru「いったぁ……あ、や、やばいこれ取れた！」
「………えっ！？」
ずれた拍子にコンタクトがポロリと外れ、ラウールの輝く眼が露わになる。
横にいた目黒が慌ててラウールを隠そうとしたものの、店主と目が合ってしまった。
それに気づいてラウールも目を瞑ったものの、時既に遅し。
店主は信じられない、という様な顔をしていた。
「もしかして、あなた方は……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
