lilac (ページ19)

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ポップコーンとメトロノームページ19

○JAEMIN

「あれ、ジェノは？」

『リラのところ寄るって』

「あ、そういえば言ってたね」

『俺たちも行く？』

「ううん、明日も会えるし」

うとうとしているチソンが部屋に行ったことを確認して、欠伸をすればソファーに座ったロンジュンに移る。ヒョンたちもいなくて、2人になったリビングで、隣に座る。

『ロンジュナ』

「なに？」

『Aとどう？』

「どうって？」

『俺とかジェノが構いすぎて、あんまり話せてないでしょ』

俺たちは喜んでいた。Aが帰って来たことと、Aと一緒にデビュー出来ることに。チョンロは会ったことがあるみたいだったけど、あの日、Aがいたとロンジュンが見つけてくれるまで、ふたりは初対面だったのだ。それに気付いた時、お節介かもしれないけど、気になってしまった。

「そう思う？」

『うん？』

「昨日マクヒョンにも同じこと言われたけど、俺たち結構話してるよ」

『そうなの？』

「ジェミンたちみたいにこう、絶対1人にしちゃダメみたいな、そういうのが無いだけで」

『…そう見えてる？』

「本人は気付いてないけどね」

俺たちはもうすぐデビューする。肩に少し触れていただけだったAの髪は、もっと切るのかなあと言っていたAとは反対に長く伸ばされて、チソンと同じ色に染められて、会社はまたリラを天使にしようとする。簡単に手が届かない位置にまで連れて行こうとする。それを必死に引き止めて、手を握っているのは俺たちだ。

「画面の中でしか見たことない人がメンバーになるって言われて、びっくりしなかった訳ないけど、」

『…だよね』

「でも実際、皆同じなんだよ」

『どういうこと？』

「皆同じ夢を持ってる」

だから大丈夫だよと言って、おやすみとロンジュンがソファーから立ち上がる。携帯に表示された画面をタップして、もしもし？と声が聞こえる。さっきまで一緒にいたのにもう会いたくなるのは、どう説明したらいいんだろう。

「ジェミナ、もう眠い？」

『どうして？』

「ジェノが寝ちゃいそうなんだけど…」