ページ ページ35
「もしあいつにバレたとしてもアリシラが関わっていなければなんとでも言えるわ。あいつ、あなたを相当恨んでいるみたいだから。この前聞いたんだけど、、あなたを退学させる計画を立てているんだって。」
そんなこんなでエレンはなるべく活動からアリシラを遠ざけようとしていたが、パンジーにバレるほど活動の輪が広がっているとはお世辞にもいえなかった。
「今日もあそこに行く？」
ある日曜日。アリシラがエレンに聞くとエレンは珍しく首を振った。
「ううん、ごめん行けないの。ほら、この前言ったアレよ。」
エレンはテーブルの真ん中の方で取り巻きとキャーキャー騒いでいるパンジーを顎で指しながら言った。
「巨木に行く？なら間に合えば私も行くわ。」
そう言ってエレンはオートミールを掻っ込んで大広間から出ていった。
残されたアリシラは出来るだけゆっくりと朝食を胃に送り、いつもよりお腹を膨らませて大広間を出た。
巨木で宿題をする予定だったので、とりあえずひとり巨木に向かうことにした。
城の外に出ると、日差しが眩しくアリシラに降り注いだ。
「もう秋なのに、」
屋敷では今の時期は祖母お手製の冷えたポッピン魔女ジュースが飲めるだろう。
そういえば、ドラコもあのジュースが好きだったなとふと彼のことを思い出した。
うちに遊びに来たとき、樽一杯分飲んでしまい、ルシウスさんに怒られていた。
ドラコは今のこの状況をどう思っているのだろうか。
やっぱりパンジーの肩を持っているのだろうか？
談話室でドラコとパンジーがアリシラの悪口を言って盛り上がっている光景が思い浮かび、頭を振ってその光景を消した。
いずれにしろドラコが私を裏切ったことには変わりない。
特に組分けのことに関してはドラコからみんなに本当の真実が語られていてもおかしくないのに、そんな様子は微塵もない。
ドラコへのイライラが最高潮に達してアリシラは近くにあった石を湖めがけてぶん投げた。
石は湖でうたた寝をしていた大イカに当たり、大イカは怒ったように水を吹くと湖に戻っていった。
「ごめんなさい…。」
声はとうてい届かないとわかっていたが、アリシラは他人に、ましてや動物に当たってしまったことに罪悪感を感じた。
しばらくして宿題を開いたが全くもって捗らない。
アリシラは明日までの宿題があることも無視してそっと目を閉じた。
そうだ。
こんな日はつまらない宿題なんてやらずに寝るのが一番だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きむい(プロフ) - noppiさん» コメントしてくださり本当にありがとうございます😭更新は不定期になると思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年7月17日 18時) (
レス) id: e08f4d945f (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年7月6日 16時) (レス) @page18 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きむい | 作成日時：2022年6月12日 9時
