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「なんでもないわ。」
アリシラはローブで顔を隠すとなぜ自分は泣いているのか自問した。
こころあたりは一つしかなかった。
「あら？アリシラじゃない。」
アリシラがローブで涙を拭いていると不愉快な声がした。パンジーである。
泣いていたと思われたくなかったので、アリシラは眠そうに欠伸をしてパンジーに応じた。
「こんばんは、パンジー。」
「アリシラもスリザリンなのね、嬉しいわ！これからもよろしくね。」
彼女の『これからも』には以前からの友好関係ではなく、何か別のものを感じさせた。
きっとこれからもキツく当たられるに決まっている。
「はあ、」
パンジーが両脇を固めている女の子たちと談笑を始めると、アリシラは小さく溜め息をついた。
「疲れたよな。」
ドラコは同情するような声だったが顔は意地悪く笑っている。
「いや、お腹が空いたわ。」
ドラコは耳元で「僕も」と囁いた。
「ん、、ほんっとにやめてよ！」
ドラコは「何？」と笑っている。
周りから見たらアリシラは一人でに怒っている変な人である。
「もう同じこと言わせないで。」
アリシラはちょうど上座の貴賓席の中央に座っている校長が立ち上がったので前を向いた。
「君が悪い。」
「え？」
ドラコは周りに聞こえないぐらいの囁き声で確かにそう言った。
一方的にドラコが悪いではないか。
校長であるアルバス・ダンブルドア先生は世界一の魔法使いであるが、彼の話は全く頭に入らなかった。
もっとも、頭に入るほどの内容ではなかったが。
アリシラはその夜、周囲の同級生とも少し親交を深めることができた。
「私はペットでネコを買ってもらったの。」
正面に座っているエレン・カエサルはペットの話になるとそう言った。
「フクロウが一番役に立つってかあ様が言ってたんだけど、ペットショップに行ったらネコの一匹が檻から私に飛びついてきたの。もう買うしかないわって思ったわ。」
エレンの話にみんな「かわいいネコだ」と反応した。
「アリシラのペットは？」
「えっと、」
アリシラはペットは特に持ってきていなかった。
「アリシラは家でニフラーを飼っているんだよな？」
ドラコが隣の話の輪を抜け出して助け舟を出した。
「うん、そうなの。ニフラーが何匹かいるわ。」
嘘ではなかった。
「へえ、名前はあるの？」
「名前は祖父が付けたから長すぎて覚えられないの。」
アリシラは困ったように笑うと、みんなは笑った。
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きむい(プロフ) - noppiさん» コメントしてくださり本当にありがとうございます😭更新は不定期になると思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年7月17日 18時) (
レス) id: e08f4d945f (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年7月6日 16時) (レス) @page18 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きむい | 作成日時：2022年6月12日 9時
