-38- ページ42
突然のことで、何がどうなっているのかと動揺していると、その男子生徒は私に気づいて説明を始めた。
「ルコちゃんってめちゃめちゃ可愛いから、A組男子には超人気なんだ!ちなみに俺A〜」
男子生徒は、染めた茶髪にピアスやチェーンなど…なんともチャラついた格好をしていた。
「あ、あぁ、そういうこと…」
「おい、何納得してんだアモール」
「あぁ、いや、つい…」
「ついって何!?ちょっと待て、すげぇ傷つく」
「あ、そうそう。ところで、今日はどうしたの?」
ミレッタが思い出したように本題を振ってくる。
「あぁ、えと、部活見学に……」
「おっ、まさか美術部入る?」
「いえっまだ決まったわけじゃ…」
「だよね〜…ええと、それじゃ、とりあえず部長呼ぼうか?」
「あ、お願いしますっ」
「りょーかい」
そう言って彼は、ルコリハーダに殴られ強制的に離させられる男子生徒を一瞥して、教室の前に歩いていった。
「あ、あの人は大丈夫なんですか…?てか、部長さん、ここにはいないんですか?」
「いや、あいつを含めるA組男子の一部はルコちゃんに殴られることを私腹に生きてる人間だから大丈夫。ええと、部長は今日帰るって言ってたから…今は寮の方にいると思う。だから内線で呼び出すのさ」
言葉の前半は若干話が見えなかったが、壁に掛かった内線電話を手に取りウインクする彼を見て、何をしようとしているのかは分かった。
「あぁ、わざわざすみません…」
「いいっていいって。どうせ部長暇だろうし…」
「ルコちゃんにも会えたしね♪」
地面に倒れ込んでいた男子生徒がガバッと身を起こし、ミレッタの言葉に続けるように意思を示した。
「かえれ」
「えっ、なに今の胸に響く言葉!もっと罵っていいよ、ありがとう!」
「A組男子にゃろぉ…ドMの変態が……っておわ、近寄んな!離せ!」
今度は別の部員に絡まれるルコリハーダを朗らかな笑顔で眺めながら、部長と電話で話し終えたミレッタに、そういえばと思ったことを口にした。
「あの…そういや、ここにアローベルって人がいるって聞いたんですけど…」
「ああ、そいつがコレ」
電話コードを指でくるくるしながら、彼は内線を指差した。
「え?」
「部長だよ、部長。アローベルは美術部の部長なんだ」
「えっ、そうなんですか?」
「まぁ、あんまりしっかりしてない人だけどね〜」
「は、はぁ…」
「もうすぐ来ると思うよ。じゃあ、それまでは俺たちが部活紹介でもするとするか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました！とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください！！ (2013年5月27日 20時) (
レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす！！自分だったらきっとここまで書かないでしょうｗ (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
＊りぃむ＊@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´｀＊)ここまで良くかけると尊敬しますｗこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます＊ (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです！がんばってください！！ (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cry | 作成日時：2013年4月8日 22時
