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教卓まで歩いて、新しいクラスメイトに目をやる。

バンダナを巻いている人や、片目が隠れている人、真っ黒なマントを羽織っている人、ヘッドホンをしている人……

たくさんの人がいた。

「あいさつ…、してもらえるかな?」

横から風がな靡くような声が響き、ハッと我に返って頭に浮かんだ言葉を適当に並べた。

「あ、あぁ…えっと、これからよろしく…お願いしますっ」

ーあいさつ…と言っても、個人情報を明かしてはいけないのだから、何を言えばいいのかと戸惑う。

礼をし、下を向きながらクラスメイトの反応を待った。

クラスはざわめきだし、ちらちらと顔を見てくる人…いや、ガン見してくる人もいる。

体を起こしてもまだ顔を下に向けている私を見て、リグオミがパッと声を上げた。

「じゃあ君は、あの一番端の席に座ってくれないかな」

「あ、は、はいっ」

指を指された窓際の席に向かう。

歩く間、色んな人にジロジロ見られて少し恥ずかしかった。

私が席に着くのを見届けて、

「それじゃあ、終わりにしようか。きりーつ、礼、ありがとうございました」

それを合図に、たくさんの生徒たちが動き始める。どうやら休み時間が始まったみたいだ。

しかし、まだこの空間に知り合いがいない私は、とりあえず席に座っているしかなかった。

しばらく経って、

「初めまして、俺はレギスタ。よろしくね」

二人少年が喋りかけてきた。

「あ、あぁっ、うんっ!」

ーあ、この人たちは確か、前の席の……

突然のことで、多少テンパりながらも返事をする。

レギスタと名乗った少年は、足首までの内側は赤、外側は黒の長いマントを羽織っており、なかなかの長身だった。今はマントのせいでなんとなくしか分からないが、小顔なのでスタイルも良い。ウェーブのかかった肩より少し長い金髪は、マントを留めているバッジから延びている鎖で左に結んであった。まあ鎖で結ぶというより、鎖が髪に絡み付いている感じだ。顔も人目を引くほど整っていて、一言でいうと"美少年"が正しいだろうか。目尻にはアイラインを延長して引いたような線があり、でも何か自然な感じがするので、多分これは生まれつきなのだろう。特に瞳は特徴的だった。ずっと見つめていたら吸い込まれそうになる、どこまでも奥深く底がないような紫色……なんとも綺麗で幻想的な瞳だ。

なんだか現代にはあまりいなさそうな、ヨーロピアンな雰囲気漂う独特な少年だった。

「そして、こっちがロガルスだよ」

-20-→←【主な登場人物の設定2】



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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時

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