検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:25,106 hit

-17- ページ19

そこでリグオミは一息つき、私の方に向き直る。

「じゃあ、俺が先入るから…入ってきてって言ったら、入ってきてくれないか」

「わ、分かった…」

ーとうとうか……どんな人たちなんだろう。喧嘩はないかな…いじめはないかな?もしかして、不登校の人なんかも…?

無限の不安が頭の中を駆け巡る。

こういう時になって、いきなり疑心暗鬼になるのは昔からの癖だった。

ずっと下を向いていると、リグオミがそっと囁いた。

「…大丈夫だよ。君が思ってるような、悪いことは何もないから。皆、それがどんなことかくらい…分かっているよ」

「えっ…?」

ー…この人…まさか、あたしの心を読んだの?て、テレパシー…?

「ど、どうして私の考えてること…」

「…初めて君の目を見たとき、君はパッと反らしただろう。あれから、すれ違う人や、さっきのAの奴らにも一切目を合わそうとしなかった。それで思ったんだ…君ももしかして、嫌なことがあったんじゃないかって。今の君の表情は、あのときと同じ"不安"を抱えているように見えたよ?」

「…、え……」

ー……私の表情から、不安を読み取ったの?…それに……「君も」って、どういう意味…?

「でも安心して。大丈夫だから……、あっそれじゃ、俺は行くねっ」

「あ、あぁっ、うん!」

リグオミはハッとして、焦ったように教室に入っていった。

ーちょっと喋りすぎたな…悪いことしたかも

挨拶に行かなければならないリグオミを引き留めてしまったと、小さな罪悪感が心の中で渦巻く。

でも、彼のお蔭で不安だった思いは少し和らいだ。

あんなことを言ってくれた人は、もしかすると彼が初めてかもしれない。

フッと顔が緩んで、気づかぬうちに笑っていた。

と、その時。



「えー、それじゃこの前言ってた"新入生"紹介するから、とりあえずみんな席着いてー」

-18-→←-16-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:ネバーランド , アモール , リグオミ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。