知らない世界 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,066 hit

・ページ8

地面に掘られた穴を下へ下へと直進して行く。

それは次第に登りへと変わり、地面から顔を出した。

辺りを見渡せば、明るい世界。

緑が生い茂る林の中に居た。

コジマが一番乗りで地上に立ち、はい、と残りのメンバーに手を差し出す。

その助けにより全員が地上に立つと、セイヤが言った。

「ここに来ていつもするのは、襟に付いてるのと同じクシフォスの紋章が描かれた箱を探すことや。それに太陽の取り戻し方が書いてると言われてる」

「まず、それを見つけないと始まらないんですね？」

大西の言葉に頷く。

「じゃあ、まっさん。案内よろしく」

マサカドは返事をし、先頭を歩いた。

しばらく歩くと、色とりどりな街並みが現れた。

「うわぁー、綺麗なとこやなー」

西村が感動の声をあげる。

「俺らの国もこれぐらい豊かやったら……ええんやけどな」

セイヤが返す。

「着いた、今日はここらへんを探す」

マサカドの言葉に待ってましたと言わんばかりにコジマが話し出す。

「ジャーン！コジマ家秘伝、ダウジング装置！俺が設計図に手を加えた特別使用！」

「すごい！コジマくんは発明家なんや！」

當間が感心する。

「使って成功した試しはないけどな」

嫌な予感するわとセイヤが言う。

「では、早速スイッチON！」

装置を頼りに街中を歩き回った。

箱らしきものは片っ端から探っていく。

突如と警報が街に鳴り響いた。

「もう、見つかったか。逃げるで！」

走って来た道を帰ろうとすると、1人の青年が立ち塞がった。

「待てや！よう懲りずに何度も来るな！……マサカドも！」

「ダイゴ……！これも太陽を取り戻すためや……！」

ダイゴは腰の剣を取り出し構え、マサカドに向かって走り出した。

後から、ミチエダ、リュウセイが合流し、止めに入る。

「ダイゴくん！やめてください！」

「気持ちはわかるけど、あかんて！」

さらに後ろから、嶋﨑と岡﨑が合流する。

「ニシタク！風雅！琉巧！」

嶋﨑が声を張り上げると、それに気づいた3人は返事をする。

「よかった！同じ世界に居ったんや！」

當間が安堵の声を漏らす。

「なんでツナギなん？」

「あの人たちに帰り方を手伝って……」

コジマの装置がピンポーンと鳴る。

3人が振り返れば、目を輝かせたコジマが視野に入る。

「お！反応した！成功や！これで可愛ええ子、探せるな！」

目は嶋﨑にロックオンしている。

「は？え？ちょっと、待って、こんといて！！」

セイヤが深いため息をついた。