知らない世界 (ページ2)

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5人の耳には騒がしく風を切る音が聞こえていた。

恐る恐る開けた目に映る景色は、全員が同じではなかった。

空の青とカラフルな街並みを見たのは、嶋﨑と岡﨑。

そして、暗闇とそこに浮かび上がる灯りを見たのは、西村と大西、當間。

彼らは地面に近づいていて、空が遠くなっていく。

止まることは無い。

つまり落下しているのだ。

それに気づくと、5人はそれぞれ叫び声を上げた。

全員パニックである。

もうすぐでダメになると思った5人の視線にはそれぞれ2人の人影が映った。

そして、その人達の上に重なるように着地した。

「……っ！痛った！」

嶋﨑と岡﨑は何とか立ち上がる。

「すみません！大丈夫ですか！」

慌てて、下敷きにしてしまった2人へと声をかける。

「大丈夫……。これより酷くはないけど、衝撃には慣れてるから」

茶髪で話が上手そうな人が答える。

「そうそう。これよりは……」

子犬のような顔の人も続いて答えてくれた。

どちらも痛そうだ。

ほんまにすみませんと何度も謝る。

「ところで君たち誰？見たことない顔やな？この国の人達はすぐに誰かわかるんやけど」

茶髪の人が聞いた。

2人は互いに顔を合わせて、どうしようかと悩む。

思い切って、ここに来た経緯を話してみた。

「つまり、君たちはこの世界の人ではないということやね」

子犬顔がそう確認する。

「あの、ちなみにここはどこですか」

岡﨑が恐る恐る聞く。

「ここはね……」

「ジョウ！ダイゴ！今、空から男の子2人落ちてくる！気をつけてな！」

茶髪の人が話そうとした矢先、別の人が走ってやってきた。

「はっすん……！もう遅いよ。その2人はここにおるし」

ダイゴと呼ばれた彼はそう反論する。

「えぇーーーー！……また予言が遅かったかぁ……！」

はっすんと呼ばれた彼は落ち込んだ。

「とりあえず、センターに連れてくわ。着いてきて！」

ジョウと呼ばれた人や他の2人に嶋﨑と岡﨑は着いていくことにした。