永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ9)

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prince09 ページ9

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…けれど、どうしてだろう。

不思議と恐怖心はなかった。

寧ろこっちの彼の方がしっくりくるような…？

嗚呼、これが永瀬くんの本性なんだ。

そう瞬時に理解する事が出来たのだ。

廉「お前なんやねん。俺のストーカー？

それとも覗き見が趣味なん？」

さっきまでの柔らかい雰囲気とは一変。

ドス黒いオーラに包まれてる彼は、

全くの別人のようだった。

あ「ちっ、違いますっ！

たまたま通りがかって…それで…」

あ、そうか。

昨日の彼の笑顔への違和感はこれだったんだ。

廉「ふぅん。

てっきり俺のストーカーなんかと思うたわ。」

あ「はぁ！？

私、あんたなんかに興味ないから！」

廉「あそ。」

王子様のような、柔らかく優しい笑顔に

逆に全身鳥肌立ったのは、

手紙を破いてた光景を見た時から

ただ貼り付けただけのような作り笑顔だったのを

私はなんとなく感じ取っていたのかもしれない。

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冷めた視線に負けじと

決して目を逸らさず睨んでたら

壁についてた手を下ろし、

私に背を向けて歩き出した。

…と思ったら、

何かを思い出したようにまた戻ってきて

また壁に手をつくなり顔を近付け、

ニコッと口角を上げて

廉「俺のこと誰かに話したら"ぶっ殺す"から」

表情と全く合ってない汚い言葉を残して

部活へ向かった。

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