永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ33)

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郁「はーちゃんお帰り！」

あ「わぁ〜大盛況してるね～」

結局最後まで劇を堪能してしまい、

急ぎ足で教室へ戻ると、

教室の前にはお客さんの列が出来ていた。

「蓮見さんごめんっ！

少し人手が足りないから手伝ってくれない？」

接客担当の子達が教室内を

忙しなく動き回り、あまりの忙しさに

どうやら人手不足のようで。

いくら浴衣着て接客が嫌だと言っても

こんな大変な場面見て断るような

薄情者の私じゃない。

二つ返事で快く手伝った。

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次々とテンポよく待ってるお客さんを案内してく。

あ「いらっしゃいませ。何名様で…」

「4人でーす！」

あ「…こちらへどうぞ」

次に案内したお客さんは隣のクラスの男子4人。

そのうちの1人は永瀬くんで、

私達の教室にいた女子は

パンケーキそっちのけで彼に釘付け。

あ「ご注文は？」

廉「こいつらが行きたいて言うから

来たんやけど、忙しい時にごめんな？」

思い切り表情引き攣ってるのに気付いたのか…？

いつもの表向きの表情で気の利いた言葉を

口にして謝る永瀬くん。

あ「ううん。大丈夫だよ。」

正直、表向きの彼の表情と言葉には

中々慣れなくて、更に顔が引き攣る。

嗚呼、全身がこそばゆい。

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