永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ21)

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あ「お次にお待ちのお客さまどうぞー…げっ」

廉「おい。客に向かって最後の発言なんやねん」

永瀬くんにバイトしてるとこバレたけど、

その後もなんとか学校側に知られることなく

順調にバイトを続けられてる中。

会うのなんて学校だけで十分なのに

どうしてバイト先でも

顔合わさなきゃいけないのかな。

あ「ご注文はお決まりですか」

そんな思いがつい顔と口に出てしまったようだ。

廉「愛想の悪いダメ店員やな。」

悪かったですね〜

あんたと違って愛想悪いダメ店員で。

心中で毒を吐きつつ、

オーダーされた物を画面に打ち込んだ。

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廉「明日何しとん」

あ「は？明日？」

廉「明日サッカーの試合やねん。

お前が観戦に来んのみんな期待しとるから

空いてんなら来てほしいんやけど。」

あ「えぇー…」

ここでもまた嫌なのが口に出てしまって、

急いで口を手で塞いだとこで

ピコンと頭の中で一ついい事を閃いてしまった。

あ「いいよ」

廉「よし、じゃあー…「でも、人に何か頼む時は

言うことあるんじゃない？」…は？」

フン、と鼻を鳴らし、

思わず勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

いつもやられっぱなしと思ってたら大間違いだ。

今は完全私が有利に立てる時だ。

彼がどう出るか楽しみに待っていると

廉「…へぇ。あ、そう。ええ態度しとるなぁ？」

立場逆転してたのはほんの一瞬。

すぐに眉間に皺を深く寄せ、携帯を開き始めた。

廉「来ーへんなら今ここでバイトしてること

学校に報告するしか…「あー！だっ、ダメ！！」

あ「わかった！！分かったから！！行きます！

行くからそれだけは…！」

…呆気なく敗北。

満足そうにニヤッと口角を上げる彼は

廉「ほな、時間と場所は後で送っとくわ」

テイクアウト用の袋を手にお店を出た。

ヤツに勝とうとした私が馬鹿だったよ…。

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