永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ11)

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大きな問題抱えながらもサッカーの見学は免れても

バイトのシフトは免れない。

あ「いらっしゃいまー…は…？」

廉「あ。」

えぇ…なんで…

なんでこんなとこで…

遭遇しちゃうのよーーーー！！！！

あ「ご、ご注文はお決まりですか？」

いや、しかもよりによっていっちばん会ってはいけない、

いっちばんバレてはいけない人に…

まさかバイト先に部活帰りの永瀬くんが

来るなんて誰が予想した？

あ「ご注文は以上でよろしいですか？」

廉「はい。

…つか蓮見さんこんなとこでバイトしてたんや」

あ「…」

なんなのよ、その目は。

嗚呼、怖い。

彼の口から次に出る言葉がなんとなく予想出来てしまって

私の心はジェットコースターの気分。

廉「うちの学校てバイト禁止やなかったっけ」

…ほらきた。

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そうだ。

彼の言う通り、

うちの学校はアルバイトは禁止だ。

だからわざわざ隣町のここでバイトしてるんだけれど。

隣町なら同じ学校の人達に

会わないと思ってたのに。

働き始めて1ヶ月。

呆気なくバレてしまった。

しかも最悪なことにバレた相手が

永瀬廉という性格極悪な人に。

「お待たせしましたー。

ハンバーガーセットになります。」

他の店員から

注文したメニューが入ったテイクアウト用の袋を

受け取る動作を見届けながら

今度はどんな言葉が降ってくるのか構えていたら

廉「ほなまた明日学校で」

あれ？それだけ？

案外あっさりしてて。

あ「…ありがと、ございました…」

私からお釣りを貰って何事もなく

帰ろうとする永瀬くん。

なんだ、またなんか言ってくると思ったのに。

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なんて、少し安堵してたら、

カシャッ＿。

シャッター音が鳴り、

気付いた時には既に写真を撮られていて、

最後に彼は不敵な笑みだけを残し店を後にした。

あ「あぁぁ…」

蚊の鳴くような虚しい声が漏れる。

「蓮見さん？お客さん待たせてるよっ」

嫌な予感しかしない。

明日からどうしよう、私。

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