検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,840 hit

ページ11

[side by you]


「何かリクエストある?」


車の後部座席に乗り込むと、ケースからギターを出して
簡単に爪弾きながら、シートベルトを締める私に
チャニョルが聞いてきた。


『最初はオススメから試すって決めてんの』

CN「ふーん」


それなら夜だしスローな曲を、と弦を優しく弾く…


"I wanna talk tonight, Until the mornin' light〜♪"


『懐かしいね、久々にOASIS聞いたかも』

CN「お、知ってた?」

『洋楽は結構聞いてたんだ』

CN「BGMとしては合格?」

『フフ、演奏も歌声も一晩中聴いてたいくらいだよ』

CN「やった♪」


気ままに色んな曲を歌うチャニョルを乗せて
20分位車を走らせる。

泊まってるホテルの看板が見えてきたので
1ブロック手前で静かに車を停めると、
後ろを向いて"ん?"って顔したチャニョルに聞いた。


『家どこらへんなの?近くまで行くよ?』

CN「んー」

『まさか…』

CN「へへ♪ お望み通り一晩中聞かせてあげるよ」

『無理』

CN「A〜 ギター抱えて野宿になっちゃうよ〜」

『もうすぐ夏だし、平気でしょ』


座り直してバックミラー越しに睨む。
流石に、出会って数時間の男と夜を超すわけには…


CN「ここらへん、夜中に押し込み強盗増えててさ、
ホテルで女一人なんて真っ先に狙われんじゃない」

『!!!』


チャニョルのその言葉を聞いて思い出した恐怖…


CN「大丈夫?」


まだ旅の始まりだから、と不安と恐怖を雨のせいにして
強がってた自分がいたことを思い知らされる。


『昨日の夜、いきなりドア叩かれたの…
訪ねてくる人なんている訳ないし、間違いかと思って
スコープから外見たら知らない男が立ってて…』

CN「ホテルの従業員が客の情報流すこともあるって」


また来られたら…ドアを強引に破られたら…


CN「治安が良い街ではないしさ、俺に寝るとこくれたら
眠りにつくまで子守唄歌ってあげるよ」

『…そっちこそ不安じゃないの?
さっき会ったばかりの何してるかわからない女で』

CN「一杯のコーヒーに心からホッとした顔する女を
放って置くことできないし」


そう言ってまたニカッと笑ったチャニョル。

その笑顔には人を安心させる効果があるみたいで、
もうこれ以上抗うのは時間の無駄だと思った。

再び車を出すとホテルの駐車場に入っていく。

こんなことなら、セミダブルじゃなくて
ツインの部屋にしておけば良かった…。

☆☆→←明日はどこかわからないけれど



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
設定タグ:EXO   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コナツ | 作成日時:2013年11月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。