don't love30 ページ31
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ヒ「お姉ちゃんはさ」
隣で、ポツリと声がした。
消えそうで、儚いその音は
貴「…………」
私の心をきゅっと締めらせた。
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・
・
サングラスとウィッグをつけたヒナミちゃんに連れられて来たのは
20区。
6区とは違って随分と静かな街。
何か少し漂う、不思議な空間。
軽快に動いていたヒナミちゃんの足も
だ
ん
だ
ん
と、………
貴「…………ヒナミちゃん?」
ピタリ、と止む。
置かれただけの看板を、じぃ、と見つめていた。
『あんていく』
ここが、目的の場所?
貴「中、入らないの?」
ヒ「あっ…………うん」
変なヒナミちゃん。
自分から行こうと言っていたのに。
中に入ると
落ち着いたコーヒーの香りと
……カネキくんと、同じニオイ…
ああ、ここもか
一瞬で、悟ってしまった。
「!ヒナミ…」
奥で休んでいた青髪の女の子が
私を見るなり、驚いた表情をして
「…アンタは?」
少し、睨んだ。
貴「…わた、しは…………
カネキくんの…」
それに怯んでしまったせいか
この先がどうしようもなく咽喉元で痞えてしまって
「……あっそ。大体分かったからもういいよ」
変に、気を遣わせてしまった。
でもこうして敵意を向けられるってことは
私が人間だということを分かっていて
それ以上に、カネキくんと何かがあったんだと
知りたくもないのに…頭に流れ込んでくる。
「座れば?今お客さんいないし…」
話も聞きたいから。
そう言った彼女の目は
酷く、彼そのもので
なんて…
美しいんだろう
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つかの間の休息
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さくら - やば (2019年5月22日 4時) (レス) id: fba2db2f98 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ピエロさんさん» 天使ですか!嬉しいです…寛大な心をお持ちの天使様のために!!!(( (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ルカさん» 有難うございます!闇カネキチはツンデレであることを望みますが…ヤンデレもいい!!!!頑張ります! (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
ピエロさん(プロフ) - 駿浬さんの作品とっても、楽しみです!駿浬さんのペースで頑張って下さい(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年1月24日 1時) (レス) id: 2d848995f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 闇カネキくんめっちゃ楽しみです!応援しています!!! (2016年1月23日 21時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年3月23日 20時