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ドォン、と大きな地鳴りを響かせ、廃墟が潰れて行く。



貴「な、永近くん…本当にここにお友達がいるの?」



私達の生活とは、大きくかけ離れた光景に虚無感が襲った。


ヒデ「あぁ。怖いなら戻れ。今のうちだぞ」


震える足が物語る。

つきつけられる命綱を跳ね飛ばし、彼の服を握りしめた。



貴「やだ。帰らない!お友達助けるまで帰らないから…!」



永近くんが言うお友達とは、同じ上井大学に通う金木研くん。

最初は顔と名前が一致しなくて戸惑ったが、焦る永近くんを前に、躊躇することは許されない気がした。



「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁッ!!」


貴「ひっ……!?」



刹那、筒抜けた廃墟から悲鳴が聞こえた。


中で、喰種と人が闘っているんだろうか。今の悲鳴はどちらのものなのだろうか。




ヒデ「…やっぱりお前、戻ってろ。ちょっと見てくる」


貴「あっ……永近くん!」



身震いする私を置き去りにして、永近くんは廃墟へと走っていく。


その後ろ姿を見つめながら、ペタン、と力なく座り込んだ。



貴「……永近くん…」



どこもかしこも鉄臭くて、気味が悪い。ザワザワと揺れる木が、より一層雰囲気を高めた。




どうしよう。ここは、永近くんに言われた通り戻らなければならないのか。



でも…と廃墟の入り口に目をやる。

真っ暗なその先は、迷う私を招き入れようとしている。



貴「も、戻らなきゃッ…」



正気を取り戻し、立ち上がった瞬間。



貴「きゃっ!?」




堅い何かにぶつかり、再び地に腰をぶつけた。


すりむいた手が、ジンジンする。



貴「痛……ひッ…」


滲む涙を拭うと、赤光したものが頬を掠め、体に巻き付いた。


そのまま体を持ち上げられ、手足の自由も効かない。




貴「やだ……なにっ…」



情けなく泣く私に、それは呟いた。






カネキ「…………可愛い…____」

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さくら - やば (2019年5月22日 4時) (レス) id: fba2db2f98 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ピエロさんさん» 天使ですか!嬉しいです…寛大な心をお持ちの天使様のために!!!(( (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ルカさん» 有難うございます!闇カネキチはツンデレであることを望みますが…ヤンデレもいい!!!!頑張ります! (2016年1月24日 8時) (レス) id: 99758c160f (このIDを非表示/違反報告)
ピエロさん(プロフ) - 駿浬さんの作品とっても、楽しみです!駿浬さんのペースで頑張って下さい(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年1月24日 1時) (レス) id: 2d848995f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 闇カネキくんめっちゃ楽しみです!応援しています!!! (2016年1月23日 21時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駿浬 | 作成日時:2015年3月23日 20時

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