Through the rain 5 (ページ37)

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青side

せっかくのみんなでの仕事日だったのに...

ここ最近、俺の身体は可笑しいままだ。

ずっとお腹は痛いし下したまま。

今日だって、朝からトイレから出られなくて、冷や汗がぽたぽたとながれる程だったの...

樹「っはぁ...いったぃ..」

大して良くならないまま、トイレから出た瞬間ぐらりと傾く世界。

樹「んぁ....、は、やばい...」

そのまま寒い廊下に、うずくまって耐えることしか出来なかった。

どうにか楽屋までつけた時には、フラフラするし...

冬なのに変な汗が流れて。

自分でも、異常事態が起こっているのを認めざるを得ない。

みんなからの視線から逃れるように、ソファーに座り込む。

早く座らないと、めまいで倒れ込んでしまいそうだった。

高「樹、やばいっしょ?」

樹「っ....やばく、ない....」

高「嘘つけよ、お前顔色。」

樹「大丈夫だから、できるから。今までも、出来てきたの」

そうだ。
俺はどんな時だって、乗り越えてきた。

色んなことあったし、身体がしんどいことなんて沢山あった。

でも、どうにかなってきた。

どうにかしてきたんだよ、俺は。

樹「ほら...行くよ、こーち」

高「おぃ....もう、」

ぐにゃりと曲がった世界は、俺の心と身体のようで変に気持ち悪かった。

ふらりと倒れそうになった両足に、グッと力を込めて踏みとどまる。

収録はなんだかよく分からないままだった。

自分が答えているのか、みんなが答えているのか。

俺がラップしているのか、みんなが歌っているのか。

何も分からない、何も覚えてない。

がんがんと頭痛がして、相変わらずちかちかとして変な世界。

楽屋まで戻ってきたことは、覚えてる。

「樹!!!しっかりしろよ」っていう大声と、俺を抱き抱えてくれる俺と同じくらい華奢な細い腕。

そして、俺より少し大人っぽくて男らしい香りに包まれた気がした。