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48.3 ページ33

桃side

今日は久しぶりにグループ仕事...

と言っても、高地とジェシーとのレコーディングなんだけど。



今の世間の状況を鑑みて、3人ずつに区切られてるんだ。



俺が着いた時には、もう2人とも着いていて高地は既にうとうと。


そして何より、その高地を普段だったら大声で起こしてそうなジェシーが難しい顔でマスクをしていることに驚いてしまった。



大「ジェシー、おはよ。どうしたの?」


ぶんぶんと首を振って返事をする。



どうした...?


大「....ね、やっぱり調子、ん?」


ジェシーが俺の手首を掴んできて、何かを伝えようとしてきた。


でも...


なかなか言い出せないのか、シーンとした時間が流れる。



俺も上手く気持ちを拾ってあげられないし、口下手だからね。



ジェシーが話し始めるまで待っていると、スタッフさんから声がかかってしまった。



「ジェシーさん、お願いします!」



ジェ「っ..はぃ」



......声.....出しにくいの..?



大「っ、ジェシー...」


普段よりも、大人しく小さく見えるジェシーの背中に声をかけようとしたけれど。



間に合わなくて。



パタンとドアが閉まって、ガラスの向こう側に彼の姿が見えていた。



高地を叩き起こして、ジェシーのレコーディングを見学。


何度も、何年も、聞いてきた彼のレコーディング。


こんなに緊張して聞く時が来るなんて思っていなかった。



いつもは、一緒に口ずさんでしまいそうになるほど軽やかに、そして楽しみにしているものだったから。



•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚



赤side



ヘッドフォンから流れ出す、俺たちの曲。


この曲も大好きな曲なのに、俺の気持ちを押し潰してくるように感じた。



ジェ「っ....Don't..s..re....ke..nd..」


気持ちよく歌えるはずのフレーズが。
いや、歌っているはずのフレーズが...


音にならない。



自分の中では流れているはずの歌声が、届かない。


もう一度って言う声が聞こえた。



ジェ「っ....すみ..ま...」



その一言さえ、続かない。



ど...しよ...た、すけて...



ジェ「ヒュ..はぁっ...はっ...」



苦しくなる中、ガラス越しの大我とこーちを見れば、慌てたように立ち上がる2人。


ジェ「ぁ...く、るし...はァ..は」



マイクを通して部屋に響く俺のうるさい呼吸につられて、どんどん苦しくなっていった。

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作者名:みかん | 作成日時:2020年12月8日 0時

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