あいぼう ページ31
外はかすかに雪が積もっていた。貸してもらったカーディガンはくすんだピンク色で可愛い。呂戊太さんはピンクが好きなんかもしれん。
「1枚羽織っててもこの寒さかあ、人間生きられへんよこんなん…。」
『カイロとか持ってくればよかっ、たね…、はーっ』
息を吐き、手を温める。さくさくと、雪が音を鳴らした。
「この寒さやったら酔いも覚めてくるなあ、ふわぁ…。」
『もう飲んじゃだめですよ?倒れちゃうかもしれないし』
「えー」
他愛もない話をしながら、コンビニへと向かう。幸せな時間だ。
ずっとこのままだったらいいのにと、どこか心に影が落ちる。
ふーさむぅ、とコンビニの中へと入る。いらっしゃいませーと聞き慣れた言葉が飛んできた。
「なんか温いもの買おーや。寒いしな。」
『そうですね…コーヒーは飲める?』
「ばっちこい。」
コーヒーと言うよりカフェインは社畜の相棒だからな。いつも助けられてます。ウッス。
『んー…。』
「あ、お菓子なんか買います?」
『ああ、えっと…しょっぱいもの食べたくて。やっぱりチューハイに合うのはし塩っぽいのじゃないですか。』
「たしかに。ポテチでええか?」
はいと頷くと、彼はボソッとコーラも買うて帰ろかなと言葉を漏らした。
好きなんだろうか、コーラ。
大きめのサイズのゼロコーラをカゴへと入れる。持ちましょかと聞かれたが、さすがにカゴぐらいは持たないと。
「んー、あとは〜…甘いもん買おか。」
ほいほいっと色んなものをカゴへと入れていく。太っちゃうなあと冗談交じりにそう言うと、今日だけなんで!と彼が頭を掻いた。
『んー…、ん?』
ポッケに入れていたスマホがブーブーと振動する。なんだろうと見てみると、友人_遥からだった。すいませんと呂戊太さんに断ってコンビニの外へと出る。行ってらっしゃあいと、彼は優しく微笑んだ。
『もしもし?どないしたん、夜中に。』
「"あー、うん。せやね、ごめん。"」
『いや、ええんやけど、どした?なんか相談事か?』
言いにくそうに、ゆっくり話すわなと彼女はそう言った。どこか、悲しそうな声で、でも真剣で。
「"…Aが、お隣さんとええ雰囲気やって言ってたの聞いて、正直辛なったんよ。それでもしかしたら、可能性の中には付き合うかもしれへんやろ?やから、言っときたかった。
私な、Aのこと好きやねん。友達とかやなくて、ちゃんと、異性として。"」
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はっぴぃ - ( ゚Д゚)ハァ? ロボロさんが可愛すぎるんですが????? (2022年12月21日 22時) (レス) @page34 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。 - 面白くてこれ好き!ちな東北民! (2022年9月23日 1時) (レス) @page34 id: b47846261a (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ↓酔ってた☆ (2022年9月15日 22時) (レス) @page34 id: 21fa153d0b (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ろ…rbr…可愛い…普段酔わない人が酔うのってめっちゃ好き… (2022年9月9日 17時) (レス) @page28 id: df7b6d0958 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - える@脅威推しさん» 色んな県からりんご集めて食わしちゃりましょう(()) (2022年8月20日 18時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はしばみ | 作成日時:2022年8月19日 23時