胃袋を掴んでしまった、という話。【rbr】 (ページ4)

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おかわりページ4

ぱちりと目を覚ます。ううっと唸り目を開けると、カーテンの隙間から光が漏れていた。
体中が痛い。軋む体を起き上がらせると、目の前のパソコンが光っていた。

『……あえ、』

«あ、起きた
«はーいおはようございます〜〜

『…あ、えっと、おはよう？ちょっと、みずのむ…』

«おう
«声ガッサガサやん、おもろ
«ちょっと遅れたおはよう寝落ち面白かったな

『…ん、ごめん、寝落ちしたんだっけか、ごめんね。今日の夜も元気だったら配信するね。
じゃあ、ばいばあい』

«おう、お疲れ
«お疲れ様でした！
«しっかり体休めるんだぞ！！おつかれさん！！！

まさかの寝落ち。
ああ、体中が痛い。机で寝るのは慣れてたけど、しんどい…。

今日が日曜日なのが救いか。しゃこしゃこと歯を磨いていると、ピンポーンとインターホンが鳴る。

ぽわぽわと寝起きの頭でボタンを押し、『ふぁい』と返事をする。
「"あ、すいませーん"」と、聞き覚えのある声が聞こえた。

「"タッパー返しに来たんですけどー、天乃ですぅ"」

『ぁ、ふぁい、ほっほ、まっへへくらはい』

ほとんど伝わってなかったろうが、仕方ない。身だしなみもほとんど整えられていないが、とりあえず上にパーカーだけは着よう、うん。

洗面台に吐き出し、うがいをする。口元を拭って、パーカーを着て玄関へと出る。

『は、はい、すいません…色々してて』

「あっ全然大丈夫ですよ〜。タッパー、返しに来ましたっ」

『あ、は、はい。ど、どうでしたか、へ、変な味とか…しし、しませんでしたか？』

全然！とブンブン首を振る彼。
「めちゃくちゃ美味しかったです、また食べたいぐらいで…。」と顔をピンクに染め、頬を掻く彼。

『ぁ、そ、そうですか…？え、えっと、り、りんごなら、沢山あるので…。え、と冷たいのなら、まだ、何個か残って、ますよ。』

「え！そうなんですか！？え〜、ええなぁ…。」

『すこ、少し待って貰えるなら、つ、包んできますけど』

彼はまたキラキラと目を輝かせる。う、そんな顔されるとなあ。
昨日よりもひと切れ多めに渡そう。というかあんなに甘いもの翌一晩で食べたよな…。

『は、はい、どど、どうぞ。』

「やったぁ〜！ありがとうございます！丸田さんって料理とかお得意なんですか？」

『あ、えと、好きなだけで…ふ、普段は仕事で忙しいので、ほ、ほとんどコンビニですませ、ちゃうことが多くて、』

へえ、と彼の目がまん丸に見開かれる。感情的で面白い人だな、この人。