第八話 駒 ページ10
「Aは、よくそれ食べるよね。」
食後のデザートには、必ずチーズケーキを用意してもらっている。
飽きないし、美味しい。
『そうね。』
「好きなの？」
『それなりには。』
ぱくっと一口、また一口咀嚼する。…見られながら食べるのはなんだか居心地が悪いな。
『…食べずらいのだけど。』
「ああ、ごめんごめん。美味しそうに食べるなあって。」
『…顔に出てたかしら。』
「ん〜、いつもはキリッ！って感じだけど、今はきりりっ！って感じ。」
…どっちも変わらないでしょそれ。
阿呆らしいわ、本当に。
「あ、今呆れたでしょ〜」と、彼がいたずらっぽく笑う。
ええ、呆れましたとも。
「あっ、そうそう。そういえば、この後会議あるから。ちゃんと来てや？」
『当たり前でしょう。』
そもそも、行かなかった日なんてなかった気がするが。
彼らが私をのけ者にしていただけで。
大体、あの女の話のせいで会議が進まなかったんだから。身も蓋もない根拠もないカスみたいな話に付き合う彼らも彼らだけれど。
＿
彼らが、私に心配の色を孕んだ視線を向ける。
机の一番奥に座った総統閣下が、会議を始めると重く口を開いた。
沈んだ空気だ。気持ち悪い。
「議題は、A・S・クロウの正式な部隊への入隊。もしくは何かしらの隊を持つ事に対してだ。」
…はあ。
いっつも話が前略されすぎて分からない。横暴なのか、適当なのかは知らないが、その本人は机の下から包み紙に包まれたチョコをぽいっと口に投げ入れた。
「はあ？ちょ、話飛びすぎやねん。どういう経緯があってそうなったん？」
「ちゃんと説明してもらわんとなあ？グルさん。」
まさかの三強の2人にすら話しが通ってなかったらしい。グルッペンに2人とも詰め寄る。
彼は焦ったように「武力として、彼女は逸材だろう。戦場に出さねばもったいない！」と言う。
Aはどうなんだと聞かれ、ふと目を伏せる。
『…それは、戦場に出て、総統の代わりに死ねということかしら。』
「は…？お前、何言ってん…。」
『私にはそう聞こえたのだけれど。』
結局は、駒なのね。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
