第二十七話 毒薬 ページ29
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黒いマーメイドドレスに体を通し、化粧も髪も全て自分でした。メイドの方も大変だろうし、わざわざ手を煩わせるほどじゃない。自分のことぐらいは自分で出来なくては。
『…ふう、よし。』
姿見の前で意気込む。顔周りに気になったアホ毛は、こっそりと目立たないようにヘアピンを通した。
自分のオキニスのような瞳をじっと見る。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだと、そうどこかで聞いたことがある。
それぞれの国が集まる、このお気持ちパーティー。もちろん、表面上では貿易も結んで仲良し〜みたいな、言うならE国みたいなのも来る。
ああいうところからも来るけど、なんせ気持ち悪い。手つきといい表情といい、もう少しまともに出来ないのかと思ってしまう。
『…さあ、頑張ろう。』
今日1日限りでいいのだ、私は。明日からは準備に取り掛からなくてはならないから、パーティーに出ている暇など無い。
まあ、だからといって今日が安全かと言われたら、そうでは無いが。
あのマッドサイエンティストも出席するだろうし、何かある前に彼に頼っておこう。
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実にくだらないパーティーだと、そう思う。
毎年これが開催される度に、どうして来てしまったのだと思わずには居られないほど。
「A様は女性の立場で在られるのに体術まで心得ているとお聞きしましたわ…！とても素晴らしいですわね！」
「そうそう！W国の幹部様も人当たりも良くて、優しい人で憧れの御国ですわ！」
『あらそう。そう言ってくれるなら嬉しいわ。』
口先ばかりの人間で溢れてる。だからこういうパーティーは苦手なのだ。
どれだけ戦勝国に媚びを売れるかだけしか考えていない。
『…ごめんなさい、少し席を外しますわね。またお話致しましょう。』
「え、ええ！是非…！」
笑顔を繕ってその場を去る。いつも通りの狐の仮面に、怪しい白衣を着た男。中の服はスーツだろうが、上に着てるのですぐ分かる。
『久しぶりね、くられ先生。』
「んﾞっ！？あ、ああ、なんだ君か…。後ろから話しかけられるからびっくりしたじゃないか。」
『あなたの方が驚かすことを沢山してきてると思うのだけど。
…じゃなくて、そう。即効性のある毒薬が欲しいの。体内に入れただけで死ぬような毒。』
「えっなに、怖いんだけど…死ぬ気？」
『生憎そんなつもりは無いわ。死んで欲しかった？』
バカ言わないのと頭を小突かれる。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
