第二十四話 みている ページ26
机に向かい、紙に文字を羅列する。
"拝啓 兄さん 様へ。
前略、ユリカ・エリッセントの首が飛びました。彼らも、愚行を今更ながら知ったようで。
その様を1度見に来てはどうですか。近々お気持ちパーティーもあることなので、是非とも参加していただきたい。
また、あなたの土産話が聞きたくなりました。お早い帰省を待っています。
敬具 A。"
兵站とすれ違った時にでも渡すか、と引き出しの中へとしまう。
コンコンと扉がノックされる。メイドだった。
「A様、晩のお食事が用意されていますが…。」
『いいわ。お腹、空いていないの。』
「はっ、承知致しました。」
話すことは業務連絡だけにして、という約束を守っているのは彼女達メイドしかいない。半分は恐怖というか、恐れから来てるのだろうけれど、そちらの方がいい。面倒な輩はひたすらに絡んでくる。
『…はあ。』
ベッドに、ゴロンと寝転がる。
赤い光が、チカチカと点滅してこちらを見ていた。
太ももの拳銃を抜き、発砲する。
『本当に、学習能力無いわね。』
ダクトから、黒い物体が落ちてきた。
小型の小さいカメラ。多分監視室と連動してるんだろうと、それを踏み潰した。
ロボロに頼まれて、ゾムが付けたか。どっちにしろあの人もあの人関連もみな食事をしているから気付くことも無いだろうけど。
素晴らしく頭が悪いんだろうと、嘲る。
まあいい。ついでに彼に会った時にでも、こいつを渡せばいい。
いつから付けていたかは分からないが、少なくとも"みていた"のだろう。
なんだ、監視下に置けば優越感に浸れたか。面白い。くたばれ。
「"A、食堂まで来てくれるか。"」
低い声が、雑音と共に聞こえる。総統閣下からの召集だった。
『なに、ご飯は食べないわよ。』
「"その事ではない。重要な話だ。皆も混じえて話がしたくてな、来てくれ。"」
そう、と返事をして通信を切る。
重要な話、ね。近々戦争でもするつもりなのかしら。ただでさえパーティーするのに、どれだけ仕事を増やすつもりなのか。
どデカい溜息をついて、部屋を出る。
まあいいわ、彼にこれを渡せばいいのだし。話はそれのついでみたいなものでしょ。
眠たい体を動かして、扉を開けた。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
