第十二話 軍団 ページ14
先程、兵士にも言ったようなことを言うと、圧が彼にまで伝わってしまったのか、は、はいっ！と上擦った声でそう言う。
あなたに言ってるわけじゃないのだけれどね、と言うとすいませんと返ってくる。
「ちゃんと、伝えておきます…！」
『ええ。じゃあ、それだけだから。』
あとは、外交室か。
オスマン。腹の底が見えない、食えない人。
何を考えているか、さっぱりな。けれど、私を無能と言ったのには変わりない。
好意は人すらも呪ってしまうな、と内心嘲った。
＿
廊下で煙草を吸っている軍団が居た。受動喫煙気にしないのかしらと呆れながらも、彼らの前を横切る。
バッチリショッピと目が合ったけど、別にいい。
「目合ったのに挨拶も無しすか、Aさん。」
『……。』
過ぎ去ろうとした手前、彼にそう呼び止められる。
『…なに、おあつらえ向きの挨拶と笑顔が欲しかったかしら。ごきげんよう。これでいい？』
「……あんたはなんで、そう挑発的なんすか。」
『だって私、執着されるのは嫌いだもの。
あと、廊下は喫煙所じゃないわよ。煙たいから消してくれる？』
マナー悪いなと思っていたが、鬱先生は私が来た途端にぱっと辞めた。
嫌いと知っているのだろう。それなのになぜここで吸うのかは分からないけど。
はいはい、と面倒くさそうにショッピはタバコの火を消した。チーノも、それにつられて消す。
灰皿の、灰になった部分を弄る彼。
「そうだ、丁度お話したいと思ってたんすよ。どうです？こっち奇数だったんで、丁度いいと思いません？」
『断るわ。』
「オスマンさんに許可取ってもダメですか？」
…はあ。しつこい人がまた増えた。この人は3号だな。
コネシマ、ゾム、ショッピ。皆我が強いからか、幹部という肩書きがあるからかは知らないが、自分達が横暴を降ってるってことは理解してないみたいだ。
『私の意見の尊重はないのね。生憎だけどそんな人達と楽しく、というかそれ以前に個人的なお話なんて以ての外無理。却下するわ。
さようなら。これからも無駄に会わないことだけをあなた達に期待するわ。』
…ああ、想定していた時間寄りすぎてしまった。まだ本の途中が読めていないのに。
つくづく彼らは私のしたいことを妨げる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 875人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
