一日目、邂逅。 ページ2
ある場所へと赴いたA・セクレターリは、1つため息をついた。
くだらんショーのように、スポットライトを浴びた無精髭の男はにんまりと笑いながら"商品"と呼ばれるものをずらずらと並べる。
貴族の心臓だとか、貴重な兎の瞳だとか、商人から受けとった果実だとか、どれも胡散臭い。
これが巷で噂の闇オークションか、笑えるな。Aは内心嘲った。くだらないショーも見飽きるなと黒のローブを翻そうとした。
「さあさあお待ちかねの"目玉商品"！とある国の軍人様からお譲り頂来ました、
W国の総統、グルッぺン・フューラー！！」
わぁっと後ろからか風のように歓声が飛ぶ。その名にAは全身の毛が逆立つような思いをした。
フューラー。後ろを振り返ると、目を瞠る。
ライオンが入れられるような大きな檻の中にぽつんと座らされている金髪の男。見覚えのある顔だった。
W国総統、グルッぺン。だとしたら、あの無能の王は死んだのか。戦死か病死かは知らないが。
Aは口角を上げるのを辞めなかった。
くだらないとは言ったものの、面白い。あの男を買おう。何万何億値を叩こうがどうだっていい。主催者を殺してでも、あの男を手に入れる。
「では、1000万から！」
「1500万！」
「1億！」
ギリギリの値が続く中、Aは凛とした声を響かせた。
「5億。5億でその男を買おう。」
しじま。
男が声を上げる。
「5億！5億が出ました！他にいらっしゃりませんか！？いらっしゃらないのであれば、あの可憐なお嬢様の落札となりますがぁ〜？！」
「ご、5億5000万！！」
「…、10億。」
少しばかり興奮してしまってか、Aは苛立ちを浮かばせながらその言葉を発した。
からんからんと鐘の音が鳴る。それと共に落札。耳に障る声が、響き渡った。
Aは静かにほくそ笑んだ。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
