【d!】天と地の吸血鬼Ⅱ (ページ26)

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73話ページ26

tn｢ゲホッ......｣

肋が折れ内蔵に刺さり少し吐血した

吸血鬼の力は人間よりあるため骨などは10～15回ほど殴ったり蹴ったりすると簡単に折れる

？『やだ...やだよ...助けて...助けて！...』

涙を流しながら男は叫ぶ

？｢もういいよ｣

tn｢...！？...は？｣

聞いた事のある声...そう...あいつだった

tn｢オスマン達が...足止めしとったはず...やのにっ｣

目が隠れるほど長い前髪の吸血鬼がため息をつきながらこっちに来る

？｢オスマン？あぁ、あの吸血鬼ならすぐ倒した。弱すぎるよ...だけど、あの金髪の眼鏡野郎は何故か俺の催眠が効かなかった...まぁ、何とか倒せたがな｣

嘘やろ...グルッぺンを倒すとか...今こいつと戦っても勝たれへん...なら

tn｢っぐ...｣

？｢はぁ...また逃げんの。ったく面倒臭い｣

トントンはA抱き上げ走る

tn｢隠れる場所...隠れ...ぐっ｣

走る度に内蔵に骨が奥へと刺さる。そんな激痛に耐えながら隠れる場所を探す

見つけた倉庫に入り扉を閉めた

tn｢はぁ...はぁ...｣

口元に付いた血を袖で拭く

『....』

最初はとても抵抗していたAは今は全然抵抗せず俺を見ていた

tn｢Aー....はよ目ぇ覚ませや...｣

Aと正面を向く感じに座り後ろにある箱が積まれてる所にもたれ一息つく

tn｢俺な....Aが初めて来た時な....誰がこんな奴の世話せな...あかんのやーって...なってんよ...｣

ゼェゼェと息を切らしながらトントンは話を続けた

tn｢やけどな...一緒におる度にな...俺の気持ちが...どんどん変わってきてんよ...｣

トントンは手をAの頭に置く

Aは嫌がりもせずただ俺を見ていた

tn｢あと数年したら...お前、帰らなあかんもんな...｣

『....』

頭の上に乗せていた手を後ろに回す

そして、そのまま抱き寄せた

tn｢俺な...お前が好きに...なったかも...しれんねん...｣

『....、』

その瞬間、トントンはさっきよりも血を多く吐いてしまった

トントンは目を閉じ眠った

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A視点

心音が遠ざかる...

あの暖かさも、段々冷たくなる...

別にどうでもいいのに...

何で...

何で...

何で悲しいのだろう