6-14 side:K ページ16
6-14 side:K
「どうして？」
何に脅えているんだ？と俺の両足を肩に乗せるような状態で、藤ヶ谷が俺に圧しかかるようにして顔を近づけてくれる。グスッと俺は思わず幼い子供のようにしゃくりあげてしまった。
「自分が・・・自分じゃなくなるみたい・・・分からないんだ、俺・・・なんで」
涙目で見つめる先――藤ヶ谷の表情が一瞬和らいだ気がした。その表情に俺の心がキュンと高鳴る。俺の本心がどこにあるのか分からないように、本当の藤ヶ谷もどこかにいるのだろうか。俺が、気がついていないだけで――
「今は感じるままでいい・・・俺がちゃんと教えてあげるから」
藤ヶ谷の顔が俺の敏感な場所に近づいていく。俺に錯覚と思わせるような笑顔だけ残して――本当にズルい。きっと俺が抗えないことなんてお見通しなのだ。藤ヶ谷は魅惑的な小悪魔なのか冷淡な悪魔なのか、それとも――ただの良い香りのする先生なのか。俺にいろいろ教えてくれると言うならば、どうか一番知りたい問いに答えて欲しい。
――どうすれば、俺は本当の藤ヶ谷に・・・触れることができるの？
「・・・教えて、藤ヶ谷・・・ああんっ！！」
先端に藤ヶ谷の舌先がネットリと触れ、ビクン、と俺は背中を仰け反らせた。チュウッ、としゃぶる様に舐められ、腰や足がガクガクと震えだしてしまう。先ほどまでキスをして身体を弄られていただけで、俺は感じていたに違いない。ピチャ、と水音が大きくなる度に、藤ヶ谷が濡らしたのか俺が次第に濡れてきているのか分からない。下半身からどんどん熱が顔に込みあがり真っ赤になった頬から火が出てしまいそうになる。手先まで火照っているような気がして、顔を覆っても余計に熱くなってしまう。
「北山、顔を隠すな」
こっちを見ろ、と言われて、俺はぼやけた視界のまま、顎を引くようにして藤ヶ谷の方を――自分の下肢に視線を送る。すると、ニヤッと微笑んだ藤ヶ谷が、ペロッ、とすでに先走り始めている俺の先端を舐めて、さらに舌なめずりをしている。恥ずかしくてどうしようもないのに、そんな藤ヶ谷を見る度にどんどん自分が昂っていってしまうのを感じる。
「ほら、ここをこうすると・・・気持ちいいだろ？」
「あぅっ！！ああんっ！！」
根元から扱かれながら、藤ヶ谷の口内に含まれて、もう限界を迎えそうになる。腰を無意識に動かして自分からも刺激を求めてしまった。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
