4-2 side:K ページ25
4-2 side:K
「・・・元気そうだな、北山」
良かった、とニコッと穏やかに微笑まれて、俺は恥ずかしくなって顔を赤らめてしまう。人の会話をかわすのが上手すぎる。そっと伸ばされた指先が俺の頭を撫でる。
「・・・身体は痛いところないか?」
――優しくするフリをして、また俺を揶揄って・・・!
「・・・何だよ!俺を玉に貢いだ挙句に藤ヶ谷まであんなこと・・・!」
開いた口の中に押し込まれる藤ヶ谷のモノ――自分の身体にもついているものなのに、上手く言葉にはできないけれどまったく違うものに見えて、本当にどうしたらよいのか分からなかった。息苦しさにドンドン意識が薄れていったところに玉が――
「・・・あんなこと、ってどんなこと?」
耳元にフッと甘い吐息と共に囁かれて、俺は思わず耳を掌で塞いで、反対の腕で藤ヶ谷の肩を押した。藤ヶ谷に次の瞬間に腕をとられ、手首をギュッと握られてしまう。
「は、離してくれ!」
また押し流されてしまう、と俺は必死でその手を振り払う。藤ヶ谷の唇が薄く微笑む。
「渉から今度こそ話は聞いただろう?」
「・・・聞いたけど・・・もう今更、聞かされても困る。俺は、協力しないから」
「つれないな、昨日あんなにスリリングで情熱的な夜を過ごしたのに」
「・・・っ、な、そんな、恥ずかしいこと言うなよ・・・!」
何も覚えていないのに、その言葉に煽られる様に自分のあられもない姿にされた後のことに想像を巡らせてしまえば、羞恥心で胸がいっぱいになって泣きそうになってしまう。次第に身震いが止まらなくなってしまい、俺は拳をギュッと握りしめ、何とかその場に立ちつくす。
「北山はまだ・・・残念ながら未経験だよ」
「・・・えっ・・・!?」
そう言うと、藤ヶ谷は俺の首筋にそっと手を伸ばし、ゆっくりと撫でてくる。
「・・・玉がやたらと北山のこの辺の匂いを気に入っていただろう?」
「そういえば・・・俺、香水なんてつけてないのに玉が良い匂いって・・・まさか!」
「車に乗る直前に、北山にちょっと、ね」
だんだん眠くなっちゃう薬を、と藤ヶ谷は俺に小瓶を見せてくる。
「なんで・・・」
「・・・御守りのつもりで」
でも本当にご利益はあったね、と藤ヶ谷はクスッと微笑む。
「これも渉に聞いたかもしれないけど・・・玉が随分最初から北山に興味を示しているようだったからね」
「それって・・・珍しいことなの?」
「ああ・・・おかげで初めて玉の部屋まで行けたしな」
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作者名:ほわわ | 作成日時:2019年5月7日 0時