2-10 side:K ページ14
2-10 side:K
「玉・・・！やっ、んっ！」
無理矢理唇をこじ開けるようにして差し込まれる玉の親指――呆然として口を半開きにしたままにしていると、歯列や舌の上をなぞられてしまう。息苦しさに頬を染め、涙目でその行為を受け入れていると、玉の表情に笑みが戻り、興奮しているような面持ちで俺を見下ろしている。
「ミツ、ちゃんと舐めて」
「んぅ、んっ・・・」
反射的に玉の手首を掴むが、玉は遠慮なくさらに奥に指を入れてくる。どうしたらよいか分からず、ただ言われた通り玉の指に舌を這わせる。なかなか上手いじゃん、と玉がクスッと笑う。
「ねぇ、ガヤ」
「・・・ん？」
「・・・本人がちゃんと状況を把握していないなんて初パターンだけど」
そう言って、玉は不敵な笑みを浮かべて藤ヶ谷に視線を移す。
「・・・ミツっていつもの“貢ぎ物”って考えていいんだよね？」
――今、“貢ぎ物”って言った・・・？
その言葉に呆然として、俺は身を震わせた。思わず俺も藤ヶ谷に視線を向けるが、藤ヶ谷は表情一つ変えずにただ俺達を見つめている。そして、藤ヶ谷の口から信じられない返事が――
「ああ・・・そう考えてもらって構わない」
「・・・そんな・・・」
「ふふっ、ミツは今までの貢ぎ物の中で一番可愛くて・・・手強いね」
ちょっとシャレっぽくなっちゃった、と笑いながら、不意に玉は俺の後頭部をグッと抱いてきた。迫る玉の顔に俺は必死で顔を背ける。
「やっ、やだ・・・！！」
仕事だと言われてもいくら何でもこれ以上は本当に無理だ、と俺は身の危険を感じて混乱してしまう。俺は思いきり玉の身体を突っぱね、何とか逃れようとしたその瞬間――
「あ、あれ？」
もうすっかり酔いは醒めていたはずなのに、急激に眩暈が起きて、俺はそのままソファーに背中からぐったりと倒れこんだ。シャンデリアがまるでメリーゴーランドのようにぐるぐる回っているように感じる。
「え、何、これ・・・」
「・・・ようやく薬が効いてきたみたいだね・・・」
「く、薬・・・！？まさか、さっきのお茶・・・」
その通りだよ、と玉が俺の背中に腕を回し抱き起こした。反対側の手が何度も俺の頬や唇に無遠慮に触れてくる。
「さてと、ベッドに移動しようか」
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年5月7日 0時
