青春ドンスト！(藤北←玉) (ページ5)

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プロローグ⑤ ページ5

プロローグ⑤

　宮田か、と玉森はちょっと唇を尖らせてがっかりしたような表情をしてしまう。変顔してどうしたの、と宮田はびっくりした顔で玉森に駆け寄る。
「んー・・・ちょっと」
「さては、玉～キタミツに手を出そうとしたんでしょ」
「ちげぇーよ」
　顔をニヤつかせて首を傾げる宮田に、その前に逃げられたわ、と玉森は宮田に顔を顰めて見せる。
「いやー、玉の気持ちはいつキタミツに届くんだろうね」
「・・・ミツが自分の気持ちをよく分かってないところがあるから・・・すげぇ鈍いし・・・まぁそこが純粋でオチビで可愛いんだけど」
　応援しますぞ！と肩をポンと叩いてくる宮田に、ありがと、と玉森はその手に自分の手を重ねるようにして答える。
「じゃあ早速作戦会議でもしますか！」
「いや、その前に先に生徒会の会議しないと・・・って、千賀さん遅くない？」
「ゴメン、遅くなった！部屋の場所が分からなくなっちゃって！」
　汗を流しながら部屋に飛び込んでくる千賀の姿に、玉森と宮田は顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。千賀の後ろからは二階堂が走ってくる。
「うわー、すげー！ソファーもあるじゃん！」
　おいで千賀、とソファーに腰を下ろした二階堂は、息を切らす千賀に手招きをする。千賀は倒れこむように二階堂の腕に飛び込んだ。ギュッとお互いに抱きしめあい、頬を擦り寄せあう。
「ニカー！」
「いつでもここでいちゃつけるね」
「・・・おいっ！」
　玉森の怒声にハッとしたように二人は目の前で仁王立ちをする。
「ご、ごめん、玉！」
「おこ、だぞ、二人とも・・・！ニカは生徒会メンバーじゃないから部屋から追い出しちゃうよ！？」
「たーまーもーりー！何で俺は生徒会メンバーじゃないんだ！？」
「にーかーいーどー！定員が三人なんだよ！」
　二人とも落ち着いて、と宮田は声をかけながらもいつものやり取りだからね、と困ったように笑う。そして、部屋にかけられている時計を見つめてびっくりしたように声を荒げる。
「というかそろそろ時間じゃない！？」
　まずい！と全員は慌てて生徒会室を飛び出した。

***

「・・・帰ってこないな、北山・・・」
「大丈夫だよ、太輔。それにもう時間だよ」
　そこで会えるでしょ、と横尾に声をかけられ、そうだな、と藤ヶ谷は微笑む。

***

「・・・そろそろ部活に行かなくちゃ！」
　どっちに戻ろうか悩んでいた北山は、ハッとしたように、部室へと向かった――

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