青春ドンスト！(藤北←玉) (ページ4)

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プロローグ④ ページ4

プロローグ④

「・・・へー・・・ミツを副会長にねぇ・・・」
「あ、玉、さてはそんな柄じゃないって思ってるんじゃない！？」
「そんなことないよー」
　相変わらず鈍いけどね、と玉森は困ったように微笑んだ。俺でもミツを副会長にするよ、と玉森に言われ、北山は、えへへ、と嬉しそうに満面の笑顔を向ける。
「そういえば、玉ちゃんに何かお祝いしなきゃ！何がいい？」
「・・・何でもいいの、ミツ？」
　ニヤッと口元を緩ませる玉森に、北山は焦ったように手を振る。
「え！あ、あんまり高いものは無理だよ・・・」
「・・・ふーん、じゃあ・・・」
　玉森は両腕でガバッと北山を抱き込むと、伸ばした右手で後ろから北山の頭をよしよしと撫でる。突然の玉森の行動に、北山は何度もパチパチと瞳を瞬かせる。
「玉ちゃん・・・！？ってか、何、これ」
「ご褒美に頭を撫でさせてもらおうかと思って」
「えっ、普通逆でしょ、俺が褒めるところじゃ・・・」
「だって、ミツじゃ、届かないでしょ俺に」
　そこが可愛いんだけどね、と玉森は笑顔で北山の頬をツンツンとつつく。その指を押し返すかのように顔をプクーッと膨らませた北山は、顔を真っ赤にして玉森の胸板を押し返す。
「もう！玉ちゃんまで！酷いっ！」
「えっ、ミツ・・・？」
　帰る！と北山はブレザーを手にすると、足早に生徒会長を出ていく。バン！とドアの閉まる音が響き渡った。その行動に驚きを隠せない玉森は、少しの時間、呆然として立ち尽くしてしまう。
「ガヤ・・・さては先手打ったね」
　俺が言いそうなセリフでミツを怒らせたのか、と玉森は思わず舌打ちをしてしまう。
「ミツ・・・」
　玉森は先ほどまで自分の腕の中にいた北山の微かな温もりを離さないとでも言わんばかりに、自分の腕を抱き込む。
「・・・やっとガヤに勝てたかと思ったのに。ガヤも高等部の生徒会長になってたなんて」
　ミツを副会長に指名したガヤの気持ちがよく分かる、と玉森は生徒会長の椅子にどっかりと腰をかけた。自分だって同じ年で同級生であれば絶対に指名していつも傍にいて欲しいと思ってる、と玉森はそっと自分の胸に手をあてた。すると、ガチャッと扉が開き、北山が戻ってきたのかと玉森は顔をしっかりと見上げるが――
「あ、玉！今、キタミツが凄い勢いで走って行ったけど・・・」

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