青春ドンスト！(藤北←玉) (ページ3)

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プロローグ③ ページ3

プロローグ③

「・・・って、玉がよく言ってるよな」
　本当のところは内緒、と藤ヶ谷はニヤッと微笑んで見せる。
「な、なんだよ、人をからかうなんて！」
　もういいよ！と北山は頬を膨らませたまま、生徒会室を慌ただしく出ていってしまう。あ・・・と咄嗟に腕を伸ばすが届くはずもなく、思わず藤ヶ谷は伸ばした指先をギュッと握りしめた。
「・・・ちょっと、からかいすぎたか・・・」
「素直に言えばいいのに、太輔」
　生徒会に女子を入れないの結構反対されたって聞いたけど、と横尾は困ったように笑う。藤ヶ谷もつられる様にして口元を緩ませた。
「・・・いいんだ、今はまだ。北山がゆっくりと俺の気持ちに気がついてくれればそれで」
「そんなこと言っている間に誰かに攫われたりしなきゃいいけど」
「・・・」
　怒った？と横尾は藤ヶ谷の肩をポンと叩く。渉は分かってるだろ、と藤ヶ谷は苦笑いを浮かべた。
「・・・だから、北山を俺の傍に置いておきたかったんだ」
　他の誰にも渡したくないから、と藤ヶ谷は生徒会長の椅子に深く腰をかけると、瞳を閉じて天を仰いだ。

***

「・・・で、ガヤと喧嘩して怒って走って中等部まで来ちゃったってこと？」
「・・・うん、急に来てごめん。玉ちゃん」
　暇してたしいいよ、と玉森は北山を生徒会室に招き入れる。ソファーに熱くなって脱いだブレザーを置き、ハッとしたように玉森に視線を送る。
「・・・ってことは玉ちゃんも！？」
「そうだよ、びっくりした？」
　すごいじゃん！と嬉しそうに微笑み背中を叩いてくる北山に、痛い痛いと苦笑いを浮かべながらも、玉森は少し頬を赤く染めて微笑んだ。生徒会メンバーは決まっているの？と首を傾げる北山に、うん、と玉森は頷いて見せる。
「千賀さんがネェネだから副会長で、宮田がグッズ代金とか計算して得意そうだから会計」
「あれ、二階堂は？」
「まー定員三人だしね。千賀さんいれば勝手に来るでしょ」
「ラブラブだからねぇ～」
　ふふふ、と笑みを浮かべる北山を玉森は微笑ましく見つめる。
「そういえば玉ちゃんもってことは・・・」
「そう！高等部は藤ヶ谷が生徒会長になったんだ！俺も副会長にしてもらって・・・」
　その言葉に玉森は思わず眉を顰めた。

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