青春ドンスト！(藤北←玉) (ページ2)

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プロローグ② ページ2

プロローグ②

「えっ・・・？」
　何で考えていることが分かったんだろう、と北山は瞳を丸くして藤ヶ谷を見つめた。誰だと思う？と藤ヶ谷はいたずらっ子のように少しだけ愉快そうな笑みを浮かべた。問われて北山は眉を顰めて首を傾げる。
「・・・あ、あー、分かった！よこーさんだ！！」
　呼んだ？とそのタイミングで横尾が部屋の中に入ってくる。横尾もアイドル部の同じユニットの一員である。アイドル部の中では、気遣いのできるグループの母のような位置付けだ。頭もよく幅広い資格を持っているし、藤ヶ谷とも気心がしれていて仲がよい――少しだけ妬けるけど、と北山は納得しながらも少しだけ頬を膨らませた。
「みっちゃん、違うよ」
「渉には会計をお願いしている」
「じゃあ、副会長って・・・？」
「・・・クスッ、相変わらず鈍いなぁ、みっちゃん」
「・・・北山、副会長になってくれるか？」
「お、俺が？」
　突然の藤ヶ谷からの指名に、北山は自分を指差しながらうろたえてしまう。
「・・・俺でいいの？だってそんなに気きかないよ？」
「お前がいいんだ、北山」
　そう言いながら藤ヶ谷は立ち上がると、北山に向かってそっと手を差し伸べる。戸惑いながらも、北山はその手にそっと自分の手を重ねた。
「・・・よろしくお願いします」
　ありがとう、と藤ヶ谷が握りしめる手に少し力を入れると、北山は思わず顔を紅潮させてしまう。
「・・・でも、何で、俺なの？」
　どうしても理由が聞きたい、と北山は上目づかいに藤ヶ谷を見つめる。たくさんの不安と少しだけ入り混じる期待――ドクン、ドクンと鼓動が強くなり苦しい、と北山は少しだけ唇を噛んだ。そっと藤ヶ谷の手が頬に伸ばされ、北山は身体をビクッと跳ねさせた。
「・・・女の子みたいに小さくて可愛いから、かな」
「えっ・・・！？」
　“小さくて”は少し余計だが藤ヶ谷は俺のことを可愛いって思ってくれているってこと！？と北山は顔を真っ赤にさせて口をパクパクとさせた。もしかして藤ヶ谷も俺のこと・・・と北山は熱っぽく藤ヶ谷に視線を送る。

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