カップル玉北編 6 side:K ページ6
6 side:K
“ねぇ、ミツはさ、俺と宮田の仲の良さに嫉妬したりしないの？”
以前に玉にそう聞かれたときに、俺は得意げな顔をして、俺は大人だからな、と返事をした。恋人関係とは違う仲の良さなんてこの世にはたくさんある。だから目の前ですげー仲の良いところを見せつけられても大丈夫。玉の一番は俺だし、それだけ愛されている自信があるし感じているから。
だから、いちいちヤキモチやいたりなんかしないよ、とそのとき玉に笑顔で答えた――なのに。
「・・・(うわ、俺、今すげー恥ずかしい・・・)」
玉に聞こえなかったよね、と薄目でチラッと視線を送ると、自分の横顔が気持ちよさそうに眠っている。スースー、という寝息が聞こえてきて、玉が本当に眠ってしまったことを感じて少しホッとする。まさかこんな唐突に自分が宮田に嫉妬していたことをばらされてしまうなんて思ってもみなかった。そして、同時にこれは本当にやばい状況だということに気がつく。
「・・・(まずい、藤ヶ谷とのことがばれたら、玉が狂うかもしれない・・・)」
誓って俺も藤ヶ谷とそういう関係ではない。でもそれこそ今世間で騒がれるような、一線超えた超えないの問題でもないだろう。そういえば玉も千賀に聞いたって言ってたよな――千賀は相変わらず素直というか純粋というか、見たものを全てそのまま口にしてしまう気がする。千賀にもばれないように気をつけないと・・・とはいえ、そんなことを言っていたらメンバー全員危険なのだけれど。
現実逃避をしようと何度も眠りにつこうと思うが、自分の眠っている姿を見た瞬間から、心臓が変に高鳴って、全然眠れそうにもない。
「そういえば、千ちゃん、二階堂の件、どう？」
「・・・うん、やっぱり、ニカ浮気してんじゃないかと思って」
この間も誰かと二人で会っていたみたいだし、と宮田がふった二階堂の話になったとたんに、千賀の声が涙声になってきている。俺は気が気じゃなかった。玉に疑いをかけた件とまったく同じ話のような気がする。そうなると・・・まさかとは思うが、W不倫(結婚しているわけじゃないけど)なんてことに――さすがにないな、と俺はうんうんと頷いて自分を納得させる。
「でもあの二階堂が、千ちゃん以外に現を抜かすなんてことあるかな？」
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2018年1月15日 0時
