カップル玉北編 29 side:T ページ29
29 side:T
俺はそっと愛しいその顔に手を伸ばす。
ふにふにと柔らかいそのほっぺたの感触は、間違いなく・・・！
「えっ・・・ミツ・・・ミツがミツの顔をしてる」
「玉ちゃん・・・もしかして俺達・・・！」
「ほら、ミツ、こことか感じるでしょ！？」
「あんっ！も、やだ！それで確認するのやめてくれ！」
明らかに恍惚に染まった表情を浮かべて恥ずかしそうに顔を赤らめるミツを見て、そしてミツも自分の身体に戻っているという実感が湧いてきたのだろう。
「ミツ！俺達、元に戻ってる！！」
「やった！！良かった・・・玉ちゃん〜〜」
俺の胸に寄り添い嬉し泣きをするミツをしっかりと抱き締めてみる。どんな決意をしてもずっと心の奥底にあった不安を全部は拭ってあげられなかったのだろう。それは、自分も同じことだったのかもしれない。
「ああ・・・やっぱりミツを抱きしめる感触大好きだわ」
自分の腕の中に収まってしまうこのサイズ感といい、ギュッとしてみればミツの体温が心地よいほどぽかぽかで思わず目を細めてその感触を何度も確かめる。
「俺も・・・玉ちゃんにこうしてギュッてされるの大好き」
二人して何度も手の位置をずらしあいながら、次第に互いの身体への撫でまわすものに変えていく。ミツの頬がほのかなピンク色に染まっていき、少しずつ感情が昂っていることを俺に教える。そんな可愛らしいミツをゆっくりとベッドに押し倒し、俺は頬同士を擦り合わせた。
「じゃあ・・・昨日のおしおきからやり直しでいいのかな？」
「・・・うん・・・」
いいの？と少しびっくりする俺の首にギュッと手を回し、ミツは俺をグッと抱き寄せる。恥ずかしいからなのか、俺の首筋に顔を埋めるようにしてミツは囁く――
「・・・その代わり・・・優しくして」
それっておしおきなのかな？と思い俺は思わず苦笑いをしてしまうが、ミツの可愛いおねだりに思わずうっとりしてしまう。引き寄せあうまま唇を重ねあうと、ミツが一筋の涙を零した。その涙を唇で拭い、お互いにしっかりと抱き締め、もう一度ゆっくりと口づける。
「・・・できるだけ優しくするけど、今日は抑えきれないかも」
大丈夫？とそっと頭を撫でると、ミツは顔を赤らめながら笑顔で微笑む。来て、と唇が動き、俺は堪らずにすぐにミツの全身を撫でまわす。
何度もキスを交わして、俺はミツの中に潜り込んだ――
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2018年1月15日 0時
