カップル玉北編 14 side:T ページ14
14 side:T
すっかりまえあしと舞祭組に分かれるものだと思っていた俺たちはびっくりしてお互いに抱きしめあった。まずい、よりによって一日分かれて撮影だなんて。しかも弟組には二階堂がいる。余計なことまで話されてしまえば、ミツの怒りや混乱がますます酷くなるだろう。
「やだ、玉・・・じゃなくてミツと離れたくない！！」
「俺も、絶対に玉ちゃんと離れない！！」
「いや、二人ともそろそろいい加減にしてよ」
そうなることが分かっていたとでも言わんばかりに宮田が合図をすると、ミツは二階堂と千賀に、俺は藤ヶ谷と横尾さんに両腕を掴まれ連行される。
「「・・・(終わった・・・！)」」
ミツと他の三人の姿が見えなくなってしまうと、俺はがっくりと項垂れた。二人に促されるまま取材のテーブルに着席する。はぁ、と大きくため息をついて、そのままテーブルに伏せってしまう。
「もう、みっちゃん、本当に今日はどうしたの？」
「北山・・・どうした、大丈夫か？」
しかも一緒にいるのは、俺を目の敵にする横尾さんと、ミツとの秘密を抱えるガヤ――二人が優しければ優しいほど、二人のミツに対する愛情を感じてちょっとした嫉妬を感じてしまう。
「・・・(いや、もしかしたらこれはチャンスかも。ガヤから何とか秘密を聞き出すことができれば・・・)」
ついでにミツの姿で惚気まくって、横尾さんに諦めてもらおう。そう考えると少し元気が出てきた。
「それでは取材を開始いたします」
前半は三人一緒だけど記者さんからの質問形式、ランチを挟んで、後半はフリートーク・・・うーん、ランチの時間くらいみんな一緒にしてくれればいいのに、と思ったがランチシーンもどうやら取材の内らしい。
とはいえ質問形式は記者さんに話すわけだし、なんと言ってもガヤと横尾さんが話をしていてくれれば喋らなくてもいい。取材を受けるのは多いからミツが何て答えるかは分かっているつもりだった。愛する恋人のことだし知らないことなんてない、とむしろ俺は得意気になっていたように思う。俺は紙コップの水を口に含んだ。
「・・・それでは最後の質問です！一日だけ他のメンバーになれるなら誰になりたいですか？」
俺はその質問に思わず口に含んでいた水を噴き出しそうになった。そんなドンピシャな質問来る？とゲホゲホ咳き込んだ。大丈夫？と横尾さんが背中をさすってくれる。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2018年1月15日 0時
