きっと、何度でも【岩谷翔吾】 (ページ22)

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変わらずページ22

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翔吾side

────────2012年12月

GENEさんのデビューイベントも無事に終えた12月。

サポートという形だけど、これまで一緒にパフォーマンスしてきて、夢を追っている姿を1番近くで見ていた。
その先輩たちがデビューした。
後ろで、ステージの横で、その瞬間を目の当たりにした。

素直に嬉しい気持ちだけじゃない。
いつか、自分も…
そんな気持ちがあるのは当たり前の事だった。

『もしもし、翔吾くん？聞こえてる？』

翔吾「あ、ごめん。うん、聞こえてるよ」

『良かった。翔吾くんは最近どう？』

電話越しに聞こえる、Aの声。
通話時間は30分を超えたところだった。

何分、何時間経っても
話したいことは、どうでもいい事からそうじゃないことまで沢山あって
Aには隠し事なしで、本当に何でもかんでも話してしまっていると思う。

翔吾「デビューって夢だなって改めて思ったよ」

『あの、GENERATIONSがデビューしたから？』

翔吾「うん、そう」

この間、初めてサポメンでショーケースをさせてもらった時、本当に本当に楽しかった。

小さな広場で、すぐ側にはアリーナがあった。
そこは、先輩たちがツアーをしている場所

いつかはあのアリーナで、もっと大きなステージで…
その時はもっとたくさんのお客さんを入れて、全国いろんなところを周って…
翔平や樹たちと、そんな話で盛り上がった。

翔吾「なんかさ、後ろで踊ってるメンバーでグループ組むかもみたいな話流れてて」

『え、そうなの？』

翔吾「いや、決定ではないんやけど…うん、そう。もしかしたらいつか、みたいな」

『…ほんとに？』

翔吾「もしかしたらだよ？」

ただの噂でしかないことまでもAには話してたから、誤解しないように何度も何度も念を押した。

あのアリーナに立つ時
隣にいるのは、今のサポメンかもしれないし、もしかしたら違うかもしれない。

でも、

『…すごい！確実に近づいてるね。絶対翔吾くんが頑張ってるからだよ』

翔吾「まだまだ頑張らなあかんけどな」

『うん、頑張ろ！私も頑張るね、翔吾くんに負けないように』

でも、Aだけは変わらず俺の隣にいてほしい。

我儘かもしれないけど、夢を叶える姿を1番近くで見ていてほしい。

この時は、そう思っていたはずだった。