きっと、何度でも【岩谷翔吾】 (ページ19)

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離れててもページ19

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翔吾side

───────2012年5月

高校は本当に楽しいところだと思った。
同じ夢を持った同士が集まる、最高な場所だった。

学校に同じ事務所の先輩がいたのも、心強くて
ダンスへの思い、夢への思いは強くなっていくばかりだった。

この高校に入学した後悔は一切無かったんだけど、
ただ、教室にAはいない。

離れても大丈夫。

Aはそう言ったけど、明らかに顔を合わせる回数は減った。

会える時には会うし、テスト期間は勉強したり、連絡とったり
仲が悪くなったとかそういうことは一切なかったけど、純粋に寂しさは感じてた。

人を好きになったことは人並みにあるはず
だから、何となく一途なタイプだろうとは思ってたけど

彼女のことを思って、こんなに寂しくなったり恋しくなる自分がいることを俺は知らなかった。

「何、また彼女？」

翔吾「…ちゃうわ」

「その間は図星だね」

「いいなー、彼女とか」

「え、てか見たい」

翔吾「いやー…マジで？」

「見せてよ」

高校の芸能コース
男子とも女子とも、すぐに打ち解けて仲良くなった

入学してから、そういう恋愛の話になるのに時間はかからず、すぐに付き合ってる人がいることは知られたんだけど
顔を見せたことはない

翔吾「んー…あ、これ」

「え、可愛い…」

「俺、タイプだわ」

翔吾「いや、やめて？」

「翔吾には勿体ないんじゃない？」

翔吾「は？…ま、否定はできないけど」

「惚気けてんじゃねえよ」

翔吾「惚気けてない」

芸能界を目指す人たちに写真を見せてもこういう反応だから、Aがどんだけ整った顔をしてるかは察してほしい

きっとこの高校にいても、そういう意味では目立ってたと思う
そんなことになってたら、俺は気が気じゃないだろうけど

A、何してる?

彼女の話をしたからか、急に向こうが気になって

A癖の強い現代文の先生来た

少々不真面目なAからは、すぐに返信が返ってくる

どんな癖?

A歩く時の姿勢が変で、しかも競歩してるみたいに早いの!

全然分からへん笑

A見たらわかる!翔吾くんにも見てほしい

写真撮ったら分かるかも

Aさすがにそれは無理だよ笑

離れてても、大丈夫。

いつかAが言った言葉を、俺も信じることが出来た。