きっと、何度でも【岩谷翔吾】 (ページ17)

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苛立ちと悔しさページ17

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翔吾side

高校生になる前の春休み
4月から始まるEXILETRIBEのツアーのリハに参加したり
高校の準備を進めたりする中で

Aとしてた、約束の1つ

『翔吾くんって絶叫系ダメでしょ？』

翔吾「って思うやん？」

『えっいけるの？』

翔吾「いける」

2人で電車に乗って向かった、遊園地
つまり、遊園地デートってやつ

『高いとこあんなに嫌いなのに？』

翔吾「なんでなんかな？それとこれとは別やねんな」

『…翔吾くん、本当不思議だよね』

翔吾「褒め言葉？」

『うん、褒めてる…でも結果オーライだ！』

Aと居れば、何でも楽しかった。
ここが遊園地じゃなくても、どこでも、何デートでもきっと楽しい。

勉強とレッスンとリハと…俺はこれでも自分の時間を作れてるつもりでいたけど、
Aといるとどうしても、自由な時間が少ないように感じた。

実際、付き合ってからこういう絵に書いたようなデートは1度もできてなかったし
だから、こんな風に過ごせることが嬉しかった。

『あ、私分かっちゃった』

翔吾「何を？」

『お化け屋敷だ、翔吾くんが無理なの』

翔吾「あー、お化け屋敷ね…」

『あれ？その反応どっち？』

翔吾「Aは、いけるん？」

『うん、多分！』

やべえ、これは最悪な流れだ

翔吾「うん、行く…けど待って？トイレ行ってくるから」

別に、逃げてるわけじゃない
どうせ戻ってきたら行くんだから

ただ、ちょっと…精神統一みたいなのはいる。
そう言って、1人で近くにあるトイレに駆け込んで

何とか、心を落ち着けて
よし…いざ、外に出ると

一瞬、Aの姿が見当たらなくて
でもすぐに分かった

俺はAが1人でいると思い込んでいたんだ。

翔吾「あの、」

2人の男に囲まれているAの腕を、グッと引っ張って
その檻から出してやると

『うわっ翔吾くん』

Aは初めて俺の存在に気づいて、安心したような顔をした
さっきまでこの腕を掴んでいた男たちも、しれっとどっかに消えていて

翔吾「ごめん、俺が1人にしたから」

『ううん、ありがとう』

翔吾「大丈夫？」

『うん、大丈夫』

翔吾「そっか…てか、あいつらなんなん、腹立つわ…」

そう言うと、なぜかAは少し笑った
でもそれが気にならないくらい、苛立ちと悔しさでいっぱいだった。