大嘘 ページ39
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壱馬「何してるん?」
『あ…大学の人と』
合コン…ってなんか言いたくなくて、咄嗟に出た言葉。
…嘘はついてないはず
『あ、壱馬さんは?』
壱馬「慎ときてる」
また新しい名前だ
でも、北人くんがそういう感じの名前を言ってた気がするから、きっとメンバーさんかな
…女の人と、じゃないんだ
私が抱いてた壱馬くんのイメージってやっぱり間違ってるのかもしれない
壱馬「楽しい?」
『え?…はい』
壱馬「疲れたような顔してるから」
私、そんな顔に出てる…?
頑張って話を合わせたり、聞いたりして、
…結構疲れてたんだ、私
あーあ、
今からでもそっちに紛れたいな、
なんて、おこがましいことを考える
壱馬「あんま無理せんようにな」
そう、ひと言残して、
自分の席に戻って言った。
紛れる、なんてできるわけないし
そんなことしたらくるちゃんにも悪いし
でも…この一瞬で、余計に
自分の席に戻りたくなくなっちゃったな。
席に戻ったあと、
抜け出さない?とか送るよとか
拓也さんはいろいろ言ってくれたけど、断って
それでも、
「もう帰るの?」
「やっぱり送る」
って、中々自分の意見を受け入れてもらえなくて、なんか怖くて
すいません、実は彼氏いるんです。
なんて、大嘘ついて家に帰ってきちゃった。
ふと、スマホの画面を見ると
拓也また遊びましょうね
というメッセージが来ていた。
だから、彼氏いるって言ったのに
…いないけど。
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作者名:はるの | 作成日時:2020年10月16日 11時