貸切予約 ページ4
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一人の時の放課後はのんびり気がむくまま
かわいいなって思う雑貨屋さんに入ったり
気になっているコスメのテスターしたり
小さな公園で一休みしたり
あ… でももうそろそろバイトいかなきゃ。
こっちに引っ越してきてすぐ、
家の近くの居酒屋でバイトを始めた。
それまでバイトなんてしたことなかったから、いろんな経験や出会いを求めて始めたバイト
私よりずっと年上の人ばっかりだから出会いも発展も何もないわけで
でも、いい人たちばかりでたくさん仕事のことを教えてもらっている。
環境的にはすごく恵まれていると思う。
『お疲れさまですー』
「おー、おつかれ」
いつもわざわざ厨房からでてきてくれる店長
二階建てのビルの二階にあるすごく小さな居酒屋で、スタッフもたったの5人
カウンター7席と個室が4つ
今日は、店長と私ともう1人の社員さん
今日も頑張ろう
『今日の予約は、』
「あ、今日は貸切だよ」
『あ、ほんとだ』
「準備途中までしたから、あとよろしくねー」
『はーい』
お店のタブレットを見ると、全席貸切予約となっていた。
久々だな、貸切って。
お客さんが帰ってしまえば片付けて終われるから、楽といえば楽かもしれない。
個室の仕切りをとって、お皿とお箸を並べて、メニューとナプキンセットして
それでもできてしまった予約時間までの暇な時間、店長に頼まれたメニューのポップを作りながら
今日のシュミレーションをしていた
予約時間の30分前に鍋出して
個室は土禁だから、来た人から靴しまって
15人くらい来たらまとめておしぼりだして
頼まれたドリンク作りやすいやつから作って、持ってって…
団体の予約がある日はいつもこんな風にシュミレーションをしている
2年経っても、これがないとテンパって何かしらの漏れが出るから
「A、これ出していいからね」
『あ、はーい』
鍋を部屋にもっていって一息つく。
忙しすぎるところより、このくらいゆっくり仕事できる居酒屋の方が私にはきっと合ってる。
そんなことを思っていると、入口のチャイムが鳴った。
開始時間より20分早い来客
『いらっしゃいませ』
「あ、今日予約してる大塚です」
『お待ちしておりました、こちらへどうぞ』
男の人だから今日は騒がしいのかな、なんて考えていた。
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作者名:はるの | 作成日時:2020年10月16日 11時