夢見る隙間（壱×北） (ページ23)

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後退りページ23

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『え…もう昼じゃん…』

昨夜、見事に映像に見入ってしまったようで

ついたままのテレビ
少し痛い身体

あ〜、私ソファで寝落ちしたんだ。
そう理解するのに時間はかからなかった

もう昼だということに少しショックを受けながらも、
こんな休日もたまにはいいやと、そう思う。

何しようかな
そういえばくるちゃん何してるかな

また、もうそろそろ遊びたいな
でもくるちゃんは私と違って忙しいから
私から誘うのは、いつも気が引けちゃって

でも、今日くらい私から誘ってみよっかな

くるちゃんに、今何してるの？ってそれだけ送って、昼ごはんの準備をした。

その後は軽い掃除と課題をちょっちょっとやって、
くるちゃんから返信が来たのは夜の20時。

来実ごめん!遊んでた!Aも今度の合コン誘うから準備しといてね

って、忙しいなあ、くるちゃんは。

合コンってそんなに楽しいのかな
確かに新しい出会いは求めてるけど
知らない人と一緒に食べたり、お話したりするっていうのにすごく体力使うから

…ってこんなこと言ってたら、
またくるちゃんに、そんなこと言ってたら一生彼氏出来ないよ！って言われちゃうな

合コンとか、そんなんじゃなくて
もっとこう、夢のあるような出会い方がいいんだよなぁ…
合コンが悪いって言ってるわけじゃないけどさ、

あーあ、これもくるちゃんに怒られるな、夢見すぎって

夜ご飯食べて、お風呂入って、テレビ見てたら、もう12時。
昨日夜更かししたせいで、全く眠くないや

…散歩でも行こうかな
夜の散歩、眠れない時たまにする
今の気候ちょうどいいし、人通りも少ないし

でも、外に出てみて思う。
夜の散歩の怖いところは、暗いところから人が歩いて出てくるとき

そんなことを考えていた矢先に、後ろから足音が聞こえ、思わず立ち止まる。

…まあ、大丈夫だよね。
そう思い、歩き出そうとすると、その人は颯爽と私の横を通りすぎた。

ちょっとドキッとした。
でも、よかった、何でもなくて

『…えっ』

通り過ぎたと思ったその人が、こちらに振り向き直った。
そしてそのまま、少しずつ近づいてくる。

…やっぱり、何でもなくなかったかも
思わず、後退りすると

『あ、の…』

「あ、やっぱり。北人のご近所さん…ですよね？」

その怖い人の正体は、あのイケボさんだった。