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シルク宅を後にして、向かったのは自分の住むアパート
自分の部屋……ではなく、その隣の部屋に向かう。
合鍵を使って中に入ると、誰もいないかのごとくシーンと静まり返っていた。目的の部屋のドアを開けると、布団にくるまる人物が。
『モトキ?大丈夫?』
モ「……………A……?」
力なく名前を呼ぶモトキに体温計を差し出す。ゆっくりした動作で脇に挟む様子にあぁ、多分相当熱があるなと思った。
ぴぴぴぴっと軽い音を鳴らした体温計を受け取ると、今日何度目かってくらいの高い数字が表示されてた。
『はぁ……。なんか食べれる?』
モ「……薬、飲まなきゃだから…あるもの食べるよ……。」
モトキはのそりと起き上がるけど、結構しんどそうだ。
『寝てて、持ってくるから。何がいい?お粥?ゼリー?アイスもあるよ。』
モ「んー……じゃあ、アイスかな。」
『はいはい。待っててね。』
キッチンに向かうとモトキものろのろと着いてきた。
『ちょ、持ってくから待ってなって。』
モ「…このあと、どっか行くの?」
『え?あぁ…最後にぺけのところ行くけど。』
モ「……なんで?」
『なんでって……ぺけインフルだから。インフル感染者の後にそうじゃない人のところ行けないでしょ?』
普通に返したけど、モトキは何だか不満そうな顔してる。…何を今更。ここに来るま
でに他のメンバーのところに行ってるってのに。
少し呆れながらもモトキが食べる用のアイスを用意していると、
『っ…!ちょっと、モトキ。』
モ「……んー。」
背中からモトキに抱きしめられた。
身動きが取れない上に、モトキの熱が移ったように体があつくなって、脈が早くなった。
『モトキ…!いい加減に、』
モ「黙って……。」
そう言って、モトキは私が感染予防にしていたマスク越しにキスをしてきた。すぐに離れた唇が「マスク…邪魔……。」と呟いたのを最後に、モトキはぐったりと寄りかかってきた。
『モトキ!?』
咄嗟に力を入れてモトキの身体を支えた。
…………寝てる。
『…………はぁ。』
重い身体を引きずりながら、なんとか布団まで運んで一息。病人だからさ、別にいいですよ?でもねぇ……。
勝手に嫉妬して勝手にキスして勝手に気絶して?
ちょっと自由すぎです。
腹いせに〈アイスは冷凍庫に入ってます。起きたら食べろ馬鹿〉ってメモをセロテープで頭に貼り付けてやったわ。
(余談)
”セロテープで頭にメモ”は小さい頃父親にやられました。
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リィオ(プロフ) - HANAさん» 随分投稿が遅くなってしまった汗ダーマさんでないんす、すんません笑 (2019年12月23日 12時) (レス) id: 86036bcecf (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - おおおおお!!子供?!子供ちゃん?!なんだよ、可愛いなぁ、ダーマくん出ないのかよ(わがまま)www続き楽しみ!! (2019年12月22日 9時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
www - また何か書いてもらえますか??? (2019年10月23日 20時) (レス) id: c017dbb3ff (このIDを非表示/違反報告)
リィオ(プロフ) - wwwさん» いいえーこちらこそ読んでくださってありがとうございます! (2019年9月15日 11時) (レス) id: 86036bcecf (このIDを非表示/違反報告)
www - リクエストに答えてくれてどうも! (2019年9月15日 10時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リィオ | 作成日時:2019年6月10日 18時