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雨ばかり降る嫌な季節もいつの間にか終わり、セミの鳴く音が倍増しで暑さを感じさせる季節になった
もうあと何日か登校したら夏休みがやってくる
そんなみんなにとっては嬉しい夏休みの前の恒例行事、テスト
今日はテスト最終日だ
私はいつもより少し早めに登校して、テスト勉強をしている
だんだんクラスメイトが登校してきて、少しざわざわし始める教室
ただでさえうるさいのに、更にうるさくなった
「おい」
私の前の席で半ベソかきながら勉強してた善逸が、急に低い声で私を呼ぶ
もうそれだけでわかっちゃう
顔を上げると、教室の入り口でニコニコと立っている童磨先輩
…ですよねえ
仕方なしに教科書を読んでいた手を止め、先輩の元へ行く
『今日はなんの御用ですか?』
「まずはおはよう、でしょ?」
『…おはようございます?』
「おはよう」
まあまたこれが胡散臭い笑顔で。
先輩を見てキャーキャー騒ぐ女子たちは、この笑顔が好きなんだろうか?
…趣味が悪い(やめなさい)
『で?ご用件は?早くテスト勉したいんですけど…』
「えー、つれないなあ。今日の放課後は暇?」
『テストも終わるし暇です、わかりましたよ。どーせいつもの所なんでしょ?』
もう何も言わずとも分かってしまう
暇?その言葉が出た瞬間、私たちの約束は成立してしまうんだ
こうやって放課後に私を誘うのは本当に私と話したいからなのか、ただの暇つぶしなのか、しのぶ先輩の代わりなのか_____
考えただけで複雑な気持ちになってしまう
いつからかもう記憶にないけど、私を呼び出す回数が急激に増えた
そのせいで私は注目を浴びて……
はぁでもそれも今では私の日常で、またか、なんて呆れちゃうんだ
決して認めたくはなかったけど、もう童磨先輩は私の中の一部なんだ
それでも複雑な心は変わらない
私はどんな存在なんだろうって。
「じゃ、また放課後にね!テスト頑張って〜」
『先輩も』
こうして用が済むとさっさといなくなってしまうのが先輩
でも去り際もニカっと笑いながら手を振ってくれるんだ
教室に戻ると毎度の如く、ジロジロとみんなが私を見る
席に着いて勉強しようとするけど、チャイムが鳴ってしまった
…やられた
生物不安だったのに…
赤点だったら許さん、あの先輩
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レイ(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» きゃあ!好きだなんて言っていただけて光栄です( ; ; )待って(笑)サイコロナステーキ先輩は笑いました(笑)ルイマさんも、お身体にお気をつけてくださいね(^^) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - すごい好きな作品です最近例のウィルスで大変ですよね 悪鬼滅殺ならぬ悪菌滅殺!がんばりましょう!サイコ口ナステ一キ先輩にまけるなっっ! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mustardさん» わあん!コメントありがとうございます(泣)作家、、なれるならなってみたいです(笑)あっ、、心臓がなくなっちゃう…みたいな話が好きなんです!素敵だなんて言っていただけて本当に嬉しい限りです( ; ; )私はmustardさんについていきます…!!! (2020年4月25日 15時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - 作者さん…本当作家さんなりましょ???ヒナちゃんみたいに()甘酸っぱくて切なくて。それが繊細に書かれていて、凄く素敵な小説だと思いました…!もう作者さん一生ついて行きます…!!! (2020年4月25日 6時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» お久しぶりです〜!どうなるんでしょうか、、弐の方で大きく話が動きますので楽しみにしていてください!わあ、、楽しみの一つだなんて光栄です(泣)一気更新を目指してたくさん書いていますので、しばしお待ちを〜!本当にお互いに安全第一で過ごしましょうね! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年3月3日 11時