34 ページ39
【童磨 side】
あれはなんだった?
あの気を失っていた子は、間違いなくAだった
黄色い子が近くにいたんだから間違いない
そもそもあの黄色い子の目はなんだった?
縄張りに入ってきた虎に威嚇する兎のような目
かすかに怯えているような顔でも、目だけは違った
俺に向かって「消えろ」と。「首を突っ込むな」と。
そう言っているかのような目
そしてその目はAには “ 何か ” があることを物語っていた
確かに必要以上に人と関係を持ちたがらないところや、あまり人前で笑おうとしないところから見るに、何かある子に違いない
俺の奢りだといきなり言ったり、「サボったらダメですからね?」と微笑んだA
あの笑顔も偽りなのだろうか?
時々ちょっと意地の悪い言葉を言う姿でさえも、偽りなのだろうか?
元々図書室に通うような子ではないとは思っていたけど…
本当のAはどれだ?
本当のAはどこにいる?
俺が抱いたこの気持ちは、あの子には届かないのだろうか
この気持ちを持って、俺はいずれあの子の核心に迫らなくてはならない?
いつのまにか学校が終わり、俺は無心のままあの待ち合わせの喫茶店に向かっていた
いつものようにおばさんからコーヒーをもらう
10分
20分
30分
待ち合わせ時間はとうに過ぎている
「いつもの彼女は来ないみたいだね?」
おばさんはもう空っぽになったカップにコーヒーを注ぎ足しながら言う
やだな、彼女だなんて
『あぁ、今日は来れないんです』
____事情があって
馬鹿だな。ほんとに
Aが来るわけないのに、こんなところで待ってるなんて
『おばさん、Aがいつも飲んでるやつ、もらってもいいかい?』
「えぇ、もちろん」
俺はAがいつも飲んでいるミルクティーを飲んだ
コーヒーとは全然違う甘さだった
こんなに甘いのを飲むなんて、Aはお子ちゃまだな
そんなこと言ったらあの子は「今日も奢ってください」なんて怒るのかな?
ミルクティーがグラスからなくなる頃には、俺の中に芽生えた感情が少し変化していた
俺はあの子の全てを知りたい
Aの核心に迫りたい
444人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» きゃあ!好きだなんて言っていただけて光栄です( ; ; )待って(笑)サイコロナステーキ先輩は笑いました(笑)ルイマさんも、お身体にお気をつけてくださいね(^^) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - すごい好きな作品です最近例のウィルスで大変ですよね 悪鬼滅殺ならぬ悪菌滅殺!がんばりましょう!サイコ口ナステ一キ先輩にまけるなっっ! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mustardさん» わあん!コメントありがとうございます(泣)作家、、なれるならなってみたいです(笑)あっ、、心臓がなくなっちゃう…みたいな話が好きなんです!素敵だなんて言っていただけて本当に嬉しい限りです( ; ; )私はmustardさんについていきます…!!! (2020年4月25日 15時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - 作者さん…本当作家さんなりましょ???ヒナちゃんみたいに()甘酸っぱくて切なくて。それが繊細に書かれていて、凄く素敵な小説だと思いました…!もう作者さん一生ついて行きます…!!! (2020年4月25日 6時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» お久しぶりです〜!どうなるんでしょうか、、弐の方で大きく話が動きますので楽しみにしていてください!わあ、、楽しみの一つだなんて光栄です(泣)一気更新を目指してたくさん書いていますので、しばしお待ちを〜!本当にお互いに安全第一で過ごしましょうね! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レイ | 作成日時:2020年3月3日 11時