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1週間後の放課後
私はミルクティーを飲んでいた
それもこの間の、あのカフェで。
あの約束は、「1週間後の放課後、またカフェで話そう」というものだった
去り際に耳元でそう囁かれるから、私は耳まで真っ赤になって帰った
そんなまさかね…という気持ちと、少し期待してしまう未熟な感情…
色々な気持ちが混在したまま、ずっと今日まで過ごして来た
透明じゃない濁った心の中の水。まるでこのミルクティーみたい、なんて。
いや、こんな綺麗な色してない。私の心の中はもっと…ううん、考えるのはやめよう。
まあそんなことを考えられるくらいの余裕はあるみたいだ、
それにしてもこのカフェ、こんなに駅から近いのにうちの生徒が誰もいないなんて。ほんとに穴場なんだな
店内を見回してみても私と、パソコンをカタカタと打つお姉さんしかいない
ボーッとお姉さんを眺めていると、カランカランと扉のベルが鳴る
音の方へ目をやると、ちょっと汗ばんだ童磨先輩が立っていた
ハァハァと息を切らしていて、急いで来たのかな?そんな感じ
「やあやあ!遅れてごめんねえ」
『やです!今日も先輩のおごりですよ!また誘い出したんだから!』
なんでだろうな?先輩の前だとこうやって意地を張ってしまう
本当はこれっぽっちも先輩が遅れてることは気にならなかったのに
むしろありがたいくらいだ。
「困ったなあ」
眉を八の字に垂らしながら、本当に困ったような顔をする童磨先輩
『冗談ですよ』と慌てて訂正する
「え?いいのに」
『いや!さすがに2回も奢ってもらうなんて…』
“ 大きな借りを作りたくないから ”
最低限の関わりでいたいのに、こんなに…だめだから
目をまんまるくしている先輩を、じっと見つめる
「うーん。じゃあ仕方ないか。残念だなあ。せっかくなんだから俺に奢られとけばいいのに」
『本当に好きな女の子に奢ってあげてください』
そうだよ、先輩はしのぶ先輩が好きなんだから。
私よりもしのぶ先輩に…
「え?俺は『なに頼みます!?』
「えっ、あぁ…えーっと…俺はいつものやつだよ」
『たまには冒険とかしないんですか?』
…危なかった
もしあのまま黙って聞いていたら “ しのぶちゃんが好き ” そう言っていたのだろうか
やだな、聞きたくないだなんて
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レイ(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» きゃあ!好きだなんて言っていただけて光栄です( ; ; )待って(笑)サイコロナステーキ先輩は笑いました(笑)ルイマさんも、お身体にお気をつけてくださいね(^^) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - すごい好きな作品です最近例のウィルスで大変ですよね 悪鬼滅殺ならぬ悪菌滅殺!がんばりましょう!サイコ口ナステ一キ先輩にまけるなっっ! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mustardさん» わあん!コメントありがとうございます(泣)作家、、なれるならなってみたいです(笑)あっ、、心臓がなくなっちゃう…みたいな話が好きなんです!素敵だなんて言っていただけて本当に嬉しい限りです( ; ; )私はmustardさんについていきます…!!! (2020年4月25日 15時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - 作者さん…本当作家さんなりましょ???ヒナちゃんみたいに()甘酸っぱくて切なくて。それが繊細に書かれていて、凄く素敵な小説だと思いました…!もう作者さん一生ついて行きます…!!! (2020年4月25日 6時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» お久しぶりです〜!どうなるんでしょうか、、弐の方で大きく話が動きますので楽しみにしていてください!わあ、、楽しみの一つだなんて光栄です(泣)一気更新を目指してたくさん書いていますので、しばしお待ちを〜!本当にお互いに安全第一で過ごしましょうね! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年3月3日 11時