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『そう…ですか?』
「うん、だって俺は鬼じゃないけど教祖だし…」
まあ確かに私も先輩から教祖だって聞いた時は、あの本の鬼みたいだなって思ったけど…
でも私はあの主人公みたいに、おてんばで、心優しくて、誰かのために自分を犠牲にできる人ではないから…
「だから俺はあの鬼に自分を重ねて読んでいたし、相手の女の子のことはAみたいだと思って読んでいたんだけど、Aはそうは思わないみたい…だね?」
ドキリとした
だってあの本で、二人は結ばれるから
私をあの主人公のようだというのなら、私たちはいつか結ばれるというのだろうか
つまり先輩は…ってなにを考えているんだろう
深読みしすぎだ。
この本を通じて出会ったから、たまたま私を重ねているだけだ。そしてなにも意識せずに言ってしまった。深い意味はないんだ、きっとそう。
「またかい?」
全く話そうとしないAを見て、童磨は心配そうに声をかける
大丈夫かと、肩に触れようとするとAはそれを拒む
そして作ったような笑顔で『大丈夫です』そう答えてみせる
「そっか…よかったよ」
童磨はどうしてもAに距離を、壁を作られているような気がしてしまう
きみの深部にはなにがあるんだろう?なにを隠しているんだろう?
『先輩はあのお話が実話だと思ってますか?』
「うーん。本当だと思う。多少は脚色されていそうだけど、話自体はほんとなんじゃないかな?」
『そっか。じゃあ先輩がそう言うなら、私も本当の話だと思うことにします』
「それはいい加減だなあ」
『えへへ』
「Aは…前世を」
キーンコーンカーン
童磨先輩が何かを言おうとしたその時、チャイムが鳴った
『じゃあ…もう私行きますね。またサボろうとしたらダメですよ?』
「ねえ」
前みたいにスッと立ち上がって玄関へ向かおうとする。
けどまた私は手首を掴まれ、逃げられなくなる
「俺、もっとAと話したいんだけど」
『え?』
「まあ今度また、この間のカフェでゆっくり話そうよ」
Noという答えは受け付けない。そんな、強制的な誘い
あぁ、終わらない。奇妙な縁
少し赤らむ頬と、火照る身体。そして早まる鼓動
なんだか変な感じ
まさかね、恋なんて、
私が先輩のこと、好きだなんて。
私は無意識に、先輩と次の約束を交わしてしまった
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レイ(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» きゃあ!好きだなんて言っていただけて光栄です( ; ; )待って(笑)サイコロナステーキ先輩は笑いました(笑)ルイマさんも、お身体にお気をつけてくださいね(^^) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - すごい好きな作品です最近例のウィルスで大変ですよね 悪鬼滅殺ならぬ悪菌滅殺!がんばりましょう!サイコ口ナステ一キ先輩にまけるなっっ! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mustardさん» わあん!コメントありがとうございます(泣)作家、、なれるならなってみたいです(笑)あっ、、心臓がなくなっちゃう…みたいな話が好きなんです!素敵だなんて言っていただけて本当に嬉しい限りです( ; ; )私はmustardさんについていきます…!!! (2020年4月25日 15時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - 作者さん…本当作家さんなりましょ???ヒナちゃんみたいに()甘酸っぱくて切なくて。それが繊細に書かれていて、凄く素敵な小説だと思いました…!もう作者さん一生ついて行きます…!!! (2020年4月25日 6時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» お久しぶりです〜!どうなるんでしょうか、、弐の方で大きく話が動きますので楽しみにしていてください!わあ、、楽しみの一つだなんて光栄です(泣)一気更新を目指してたくさん書いていますので、しばしお待ちを〜!本当にお互いに安全第一で過ごしましょうね! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年3月3日 11時